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【21.11.15】医科診療報酬改定情報(2)

具体的な改定内容にかかわる提案と議論が進む

 2022年4月の診療報酬改定に向けては、9月15日の中医協総会で、第一ラウンドでの論点や議論等のとりまとめが報告され、個別課題の本格的な議論が進んでいる。総会は10月に入り週2回の開催もあるなど、議論のペースが上がっている。

在宅の継続診療加算や在支診・在支病の要件等の見直しなど提案
 10月13日の中医協では、在宅医療について厚労省から資料提出と提案がされ、議論が行われた。論点として挙げられた在医総管・施医総管の継続診療加算については、診療側委員から24時間の連絡・往診体制への協力医療機関に対する診療報酬上の評価と、加算点数引き上げの意見が出された。支払側委員は、「医師会や自治体が協力可能な医療機関を集約して周知する等の対応が最低限必要」と主張した。
 在支診・在支病については、支払側から強化型の在支診・在支病と同様にそれ以外の在支診・在支病にも緊急往診等の実績を課すべきとの発言がされた。診療側は、在支病は入院受け入れにリソースを割いているとし、在宅患者の急性増悪等の受入実績をむしろ重視して評価すべきと主張し、双方の意見は平行線となった。また、在宅医療を提供する医療機関における看取りに対して、支払側が「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に基づく患者の意思決定支援の指針を要件化すべきと主張したのに対して、診療側はガイドラインが国民に浸透しているとは言い難く、要件化は時期尚早との見解を示した。
 その他、外来医療から在宅医療への移行にあたって、医師の連携・調整に係る診療報酬上の評価を求める方向性が診療側・支払側含め共有された。また在宅ターミナルケア加算については、入院医療機関からの退院後の患者や、患者の容態急変等により2回の訪問診療が実施できず、看取り加算が算定できない事例があり、実態に合わせた要件の見直しを求める意見が診療側から出された。

かかりつけ医機能の在り方などをめぐり意見が相違
10月20日には、外来医療について論点が示され議論が行われた。かかりつけ医機能については、まずかかりつけ医のあり方や定義を整理し議論すべきとの意見が支払側から相次ぎ、関連点数の算定回数の伸び悩みを問題視する意見もあった。これに対し診療側からは、中医協は制度論を議論する場ではなく、医師と患者の信頼関係で成り立つかかりつけ医を制度化し規定するのは医療にはなじまないことや、かかりつけ医は患者が自ら選ぶもので、フリーアクセスが重要であることなどを主張し、議論は持ち越された。
 厚労省から示された具体的な論点では、地域包括診療料・地域包括診療加算の対象疾患に慢性腎臓病や心不全を加えることや、予防接種相談を要件に加えること、小児かかりつけ診療料の24時間対応の要件緩和が提案された。また前回改定で新設された診療情報提供料靴砲弔い董他医療機関の施設基準の届出状況の把握が困難との実態を踏まえた要件の見直しも提案され了承された。
 その他、算定医療機関・回数が減少傾向にある生活習慣病管理料について要件見直しの必要性、耳鼻咽喉科診療について、領域横断的に複数の処置を組み合わせた評価や、小児の耳鼻咽喉科領域の疾患において抗菌薬の適正使用の推進の考え方の論点も示された。

がん対策やアレルギー疾患対策等の個別事項も議論
 10月22日の中医協は個別事項の論点として、がん対策・難病対策・アレルギー疾患対策の評価について議論がされた。がん対策では、通院など患者が望む治療の場で抗がん剤治療を実施できるよう、副作用管理体制などに着目した外来科学療法加算等の評価の充実や、栄養食事指導について、外来栄養食事指導料1の算定要件(月2回の指導)を、がん病態栄養専門管理栄養士等を配置した場合に評価することなどが提案され了承された。
 また、難病対策では連携に係る評価の見直し、アレルギー疾患対策では、食物アレルギーで学校等に提出される「学校生活管理指導表」を用いて主治医から学校医等への情報提供した場合に、診療情報提供料1が算定できるようにすることが提案され、了承された。

精神医療、療養・就労両立支援の対象、評価を見直し
 11月5日には、精神医療等について議論された。厚労省から提示された通院・在宅療法の療養生活環境整備指導加算は外来患者も対象とすること、精神科在宅患者支援管理料の対象患者にひきこもり状態の患者等を加えることについてはその方向性が確認された。その他、通院・在宅精神療法の評価の在り方、依存症に対する入院・外来での評価の在り方、児童・思春期精神医療の長期継続して外来医療が必要な場合の評価などが論点として挙げられた。
 また、がんや肝疾患など4つが対象疾患となっている療養・就労両立支援指導料について、対象疾患に心疾患と糖尿病を加えること、相談支援加算は公認心理師や精神保健福祉士が相談支援を行った場合も算定できるように評価を検討することなども提案された。
(つづく)

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