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【20.01.15】診療報酬改定情報(5)

2020年診療報酬改定率 技術料本体0.55%増、薬価等の引き下げで実質マイナス0.46%

12月17日、加藤厚労大臣と麻生財務大臣は、2020年4月の診療報酬改定の改定率について、全体(ネット)でマイナス0.46%とすることで合意したと発表した。
 同日の資料では、技術料に関与する診療報酬本体の改定率は、消費税財源を活用した救急病院における勤務医の働き方改革の特例的対応分0.08%を除くと、0.47%(医科0.53%、歯科0.59%、調剤0.16%)の引き上げとなった。しかし、薬価等で1.01%(薬価0.99%、材料価格0.02%)の引き下げとなるため、トータルではマイナス改定となった。  

 診療報酬本体0.47%の財源配分は、従来どおり医科:歯科:調剤で1:1.1:0.3となるが、働き方改革の改定分が財源配分から除かれていることについては、財政制度等審議会が予算編成に向けた「秋の建議」の中で、病院と診療所との改定率配分の大枠を設けるとの提案がされていることから、枠内配分の考え方が今後変わる可能性もある。
 なお、前回、前々回改定で「大型門前薬局に対する評価の適正化」として、公称改定率の外枠で削減された手法は、今回はとられなかった。

医療改善につながる十分な改定率とは言えない
 当初財務省の財政制度等審議会が主張していた2%半ばのマイナス改定とはならなかったが、社会保障費の自然増の削減を続ける安倍政権のもとで、実質マイナス改定は4回連続となった。また、薬価の引き下げの財源が本体改定部分に充当されず、本体改定率の引き上げはわずかであり、医療機関の経営と安全・安心な医療の改善につながる十分な改定率とは到底言えない。
 保団連は12月18日、「4回連続マイナス改定に抗議する」との会長談話を発表。医療経済実態調査では病院は赤字、診療所は経営改善が見られないとして、医療従事者の人件費を保障し、医療の質を担保するために診療報酬の大幅引き上げを強く求めている。

中医協公聴会 1月24日開催へ
 12月4日の中医協では、薬価調査等の結果が報告され、前回改定時からの平均乖離率が薬価は約8%、材料価格は約5.8%であることが報告された。薬価は調査での市場実勢価格に消費税増税分と調整幅2%を上乗せして改定薬価が決められる。
 12月6日には、厚労省から回復期リハ病棟入院料のリハ実績指数の強化、地域包括ケア病棟での自院内転棟の制限、短期滞在手術等基本料3の点数設定の見直しなどの提案があり、議論がされた。
 12月11日は、オンライン診療等の対象に慢性頭痛を追加することが提案された。これについては18日にも再度議論されたが、診療側の慎重な対応を求める姿勢は変わっていない。また、10月30日の中医協でも議論された初診料の機能強化加算の患者説明の要件化について、この日は厚労省から、説明は必ずしも医師からでなくてもよいとする提案があったが、診療側は「体制を評価した加算の説明を個別に行うことは了承できない」と反発し、要件化を求める支払側との間で平行線となった。
 なお、11日の中医協では厚労大臣宛ての診療報酬改定に関する意見書がまとめられ提出されたが、プラス改定を求める診療側と、マイナス改定を求める支払側の意見が両論併記された意見書となった。
 12月13日・20日の中医協では「重症度、医療・看護必要度」の評価などの入院医療、18日には働き方改革や義肢装具に係る評価などが提案、議論された。
 20日中医協には、紹介先から紹介元への情報提供の評価、妊婦加算にかかわる検討の方向性などが提案された。また、同日には診療側(医科・歯科・調剤)と支払側双方から診療報酬改定に対する個別項目の意見書が出されるとともに、診療報酬改定に関する公聴会を1月24日(金)午前10時30分〜12時30分、富士市の産業交流展示場(ふじさんめっせ)で開催することが報告された。医療関係者や患者・国民など公募による意見発表希望者の中から、公益委員が選定した10人程度が意見発表を行う。そのスケジュールに合わせてパブリックコメントの募集も実施される。

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