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【19.12.15】診療報酬改定情報(4)

改定率、改定内容をめぐり山場の議論へ

 財務省財政制度等審議会は11月25日、診療報酬はネットだけでなく本体についてもマイナス改定とする「2020年度予算編成等に関する建議」をまとめ、財務大臣に提出した。
 11月27日の中医協には、医療経済実態調査の結果に対する各側からの見解が提出された。支払側は国公立病院の赤字幅の拡大が一般病院全体の損益差益率を押し下げていること、一般診療所は有床・無床に関わらず黒字との分析を報告。同日に、健保連などの保険者団体がネットでマイナス改定を求める要請書を厚労大臣に提出している。
 一方診療側は、調査結果への見解として医療機関の経営状況は総じて横ばいで、一般診療所(医療法人)の3分の1が赤字であると指摘。横倉日医会長も同日の会見で、「マイナス改定になれば医療サービスは低下する」と前回を上回る本体プラス改定の実現を求めた。
また保団連も同日に、診療所は総じて横ばいであり、病院は再投資可能な水準を大きく下回っていることを指摘し、診療報酬のネットでの抜本的引き上げと改善が必要との政策部長談話を発表した。年末に決定される改定率に対する動きが激しさを増している。
 中医協では、この間も具体的な改定内容について議論が行われている。

重複投与等の解消後発医薬品の使用促進など提案
 11月15日の中医協では、「医薬品の効率的で有効・安全な使用」として重複投与を防ぐ仕組みとして、厚労省はかかりつけ医が重複投与の有無等を評価し、他の医療機関間の連携・調整を行う取組評価の検討を提案した。診療側は「取り組み自体を評価すべき」としたが、支払側は「減薬が達成された時点で評価すべき」と意見が分かれた。
 また後発医薬品の使用割合増加に伴う後発医薬品使用体制加算の要件見直し、残薬の発生防止・解消の推進などの論点も示された。

生活習慣病管理料、ニコチン依存症管理料などで議論
 11月22日は、生活習慣病指導管理料について糖尿病性網膜症の受診勧奨や受診頻度、経済的な負担も考慮した薬剤費用に関する説明の要件化などについて提案された。診療側・支払側とも、現状の月1回の受診要件は緩和すべきでないとの意見で一致したが、支払側はオンライン診療の検討を提案。さらに費用説明の要件化に加え、経済性も考慮した処方、アウトカム評価の導入も提案した。一方診療側は、オンライン診療導入に反対し、「患者それぞれへの費用説明は無理がある」と主張した。
 また厚労省は、ニコチン依存症管理料について加熱式たばこを算定対象に加えることと、対面診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた診療の導入を提案した。加熱式たばこについては、支払側から販売されて間もないこともあり時期尚早との意見が上がるとともに、対面診療と情報通信機器を用いた診療については、「対面診療での継続率が低い水準であり、機器の導入以前にまず対面診療の治療継続割合向上の対応が先決」との発言も出され、継続課題となった。

義肢装具の医療機関と事業者の連携めぐり応酬
 11月27日には義肢装具について、厚労省から医療機関と義肢装具事業者それぞれの役割に応じた評価体系にすることや、採型に関する処置料について項目整理することなどの提案がされた。支払側からは、愛知での不正請求などにふれながら、「医療機関と装具事業者が重複算定している実態であり、算定基準を明確にすべき」と発言。これに対し診療側は、「医師と装具士の行為は全く別々の評価をしているもので、二重でも重複請求でもない」などと応酬した。
 その他、疾患別リハビリテーションについて、療法士の配置要件の見直し、リハビリテーション実施計画書と同総合実施計画書の様式整理など簡略化、効率化を進める提案がされた。

入院医療の評価、要件なども議論
 入院医療に関する本格的な議論も11月15日から始まった。この日は、一般病棟入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」について、「必要度供廚瞭禄个鮨覆瓩襪海箸筺判定基準の「基準(2)」の見直し、評価項目のA項目・C項目の評価対象の整理などが厚労省から提案された。「必要度供廚砲弔い討錬横娃鮎屋幣紊良賊,鷲須とすべきとする支払側に対し、前回改定で導入されたばかりであり選択できるようにするべきと主張する診療側で意見が対立した。また、「基準(2)」についても、見直しまたは廃止の方向で検討を主張した支払側に対し、廃止は論外とする診療側との間で議論は平行線となった。
 11月22日は、療養病棟入院基本料の経過措置について提案され、「経過措置1」は、診療側、支払側とも延長の考えで一致した。支払側は「経過措置2」の廃止とともに、療養病棟入院基本料の医療区分2、3の患者割合の引き上げの検討も提案。診療側は「患者割合の変更は、行き場のない患者が出てくる可能性が高く現段階では難しい。現状を維持するべき」と反論した。また、前回改定で届出が要件化されたデータ提出加算について、経過措置の終了と回復期リハビリ病棟5、6と療養病棟についても、許可病床数が200床未満の病院について、一定の経過措置を設けつつデータ提出加算を要件に加えることが提案された。
 その他、11月27日は有床診療所入院基本料の医師配置加算や初期加算などについて、11月29日は地域包括ケア病棟での自院一般病床からの受け入れの制限や、回復期リハ病棟のリハ実績指数の対象病棟の拡大などが議論された。

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