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【19.12.05】2020年歯科診療報酬改定情報(1)

中医協総会(11月13日)で「歯科医療」について審議

 11月13日に開催された中医協総会で、「歯科医療」について審議が行われた。歯科医療を取り巻く状況を報告した上で、「歯科外来診療の充実」「口腔疾患の重症化予防」「生活の質に配慮した歯科医療の推進」などについて「現状及び課題」にまとめて提案された。

■歯科外来診療の充実に、基本診療料・外来環を見直し
 厚労省は、前回改定で導入した歯科初・再診料に係る施設基準(院内感染防止対策に係る届出)について、届出医療機関の割合が95%であること、研修要件が規定されているのは「歯科医師のみ」であることなどを報告した。その他の施設基準についても、観血的処置を行うものについて院内感染対策に係る取組が規定されていないと指摘した。
 また、歯科外来診療環境体制加算(外来環)についても検討するとした。

■歯科疾患の重症化予防に歯管の見直し、口腔機能の維持向上の指導の充実
 歯科疾患管理料(歯管)について、約半数の歯科医療機関が90%以上の患者に対して算定しているが、そのうちの25%が3カ月以上にわたって再診を算定していないことを指摘した上で、前回改定時に導入された「小児口腔機能発達不全症」「口腔機能低下症」の算定件数が伸びていないことについて、それぞれ「該当する患者がいなかった」「算定要件がよくわからない」「指導・管理の方法がわからない」などの理由が多かったと報告した。
 厚労省の資料や指摘する「課題」には、「継続管理」「長期管理」が頻出する。SPTを含む歯周病管理や、フッ化物応用によるう蝕の重症化予防に係る資料を提出した上で、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準要件もあわせて議論されている。

■生活の質に配慮した歯科医療の推進 根管治療などを検討
 その他、生活の質に配慮した歯科医療の評価や、歯科固有の技術の評価についても議論された。
 資料として提出されたのは、(1)根管治療について大臼歯には治療難度の高い4根管以上の歯が約3割存在すること、(2)食物を経口摂取していない患者においては、唾液分泌量が少なく痂皮や口腔乾燥などがあること、(3)先天性疾患に起因しない永久歯萌出不全を含む多数歯欠損患者では、矯正治療後の補綴治療で広範囲顎骨支持型補綴装置が保険適用対象となっていないこと、(4)静脈内鎮静法が麻酔管理に要した時間にかかわらず評価が一定であること、などが挙げられた。

■「基本診療料引き上げにはエビデンスを」支払側委員
 厚労省の示した資料に基づく討論では、基本診療料や歯管について支払側委員から厳しい意見が出された。
 健保連理事の幸野委員は「患者にとって医療機関の院内感染対策は至極当然のことで、それに点数をつけることには反対。引き上げる明確な根拠、エビデンスがなければ賛同できない」と発言して、基本診療料の引き上げを牽制した。また、幸野委員は歯管についても「従来から大きな問題をはらんでいる。前回改定でも提示したが、歯管は継続的な管理を行った場合に限定して算定できるようにすべきで、1回目(初診)ではなく、2回目以降に算定可能となるよう報酬体系を改めるべきだ」と発言した。そのほかにも「歯周病治療にはアウトカム評価を入れるべき」「か強診の医療機関は患者に対してかかりつけ機能を有していると文書を示し説明するべき」などの意見を述べている。
 これらに対して、診療側委員で日歯常務理事の林委員は「感染対策には消耗費と人件費、廃棄物処理を合わせて568円のコストが必要と管理学会が示している」と反論。歯管についても「管理計画を策定し患者に説明をするのは初診時であり、再診日に算定する議論にはつながらない」と理解を求めた。

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