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【19.11.25】診療報酬改定情報(3)

改定率決定の年末に向けて重要な時期に

 来年の診療報酬改定について、11月1日の財政制度等審議会の分科会では、医療費を高齢化等の要因による増加の範囲に収めるためには、2パーセント半ば以上のマイナス改定が必要との考え方が示されている。また、11月13日の中医協で報告された医療経済実態調査結果は、一般病院全体の損益状況は依然として赤字が続き、有床診療所では2ポイントの悪化、無床診療所もほぼ横ばいの状況と報告されたが、翌日には「診療報酬マイナス改定へ、本体はプラス、薬価引き下げ」との報道がされている。同日の中医協では、中医協会長から各側委員に対して実態調査結果への意見の提出と、12月上旬までに次期改定に対する意見を提出するよう要請がされており、年末の予算編成による診療報酬改定率の決定に向けて、重要な時期を迎えている。この間の中医協での主な論点は以下のとおり。

書類作成の合理化届出様式の簡素化などを提案
 10月25日の中医協総会では、がん患者を対象に前回改定で新設された「療養・就労両立支援指導料」について、患者から企業・産業医に両立支援の申し出を行い、主治医が企業からの勤務情報の提供に基づいて必要な指導を実施し、企業に対し診療情報を提供した場合に算定できる要件として評価すること、対象疾患を脳血管疾患、肝疾患、難病にも拡大することが厚労省から提案された。
 業務の効率化・合理化では、計画書のカルテ添付や計画書に基づいた指導内容のカルテ記載等の簡素化、施設基準の院内研修要件の合理化が提案された。また画像診断の撮影部位のレセプト記載を選択式にすること、厚生局への届出・報告についても様式の簡素化、添付書類の低減等について提案がされた。

機能強化加算の要件などかかりつけ医機能で議論
 10月30日は、初診料の機能強化加算の算定要件・施設基準の見直しが提案された。支払側が、診療前に患者に対して文書による加算の説明を行うことを新たな要件とすることを求めたのに対し、診療側は負担が大きいとして、院内掲示での事前周知を主張した。
 また、かかりつけ医機能との関係で課題とされる紹介状なし大病院の定額負担の対象拡大が提案され、支払側からは地域医療支援病院は200床以上に拡大すべきとの意見が出された。

訪問診療料(機烹欧覆漂濛隶緡鼎慮直しを議論
 11月6日の総会では、在宅医療の見直しについて議論が行われた。主治医の依頼で他医療機関が訪問診療を行った場合に算定する在宅患者訪問診療料(機烹欧砲弔い董⊃芭殿Π儖からは、訪問期間が6カ月超である現状に合わせた見直しや、複数回訪問の評価を求めて発言があった。支払側委員は、6カ月超の医療機関が4割以上あることを問題視するとともに、訪問回数を依頼元が把握していない点について、要件化によって縛るべきだとした。
 また厚労省は、在宅支援病院の基準の往診医をオンコール体制にしてはどうかと提案し、在宅患者訪問褥瘡管理指導料の初回カンファレンス時の評価がないことに対し、委員に意見を求めた。診療側からは、初回カンファレンス後、3カ月以内に評価カンファレンスを実施した場合に算定できる規定の改善を求めた。一方支払側は、治療期間によって点数区分を設けるなど、初回カンファレンスを含んだ点数設定を提案した。
 その他、各側から在宅時医学総合管理料の包括的支援加算の対象者の見直しや、在宅点数の簡素化などについて意見が出された。

オンライン診療の算定要件の見直し議論は平行線
 11月8日には、医療従事者の働き方改革について、医師の常勤換算の拡大や、病院勤務医や看護職員の負担軽減等の取り組み、人員配置や会議の合理化などについて提案があった。
 また毅達圓陵活用について、オンライン診療の算定要件や施設基準などが議論された。診療側がオンライン診療は離島やへき地など医療資源の少ない地域での対応を基本とすべきと主張したのに対し、支払側は地域を限らず利用しやすいように、3カ月に1回の対面診療などの要件を見直すべきと主張し、意見は分かれた。他には、指針において示されている主治医等のもとで遠隔地の医師が初診からオンライン診療を行う場合の保険診療の位置づけ、情報通信機器を用いた栄養指導、医療機関間でのカンファレンス等での電子掲示板等の活用などの提案もあった。

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