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【19.11.05】診療報酬改定情報(2)

改定の基本方針の議論と中医協では個別事項を検討

 2020年度の診療報酬改定の基本方針は、社会保障審議会の医療保険部会と医療部会で議論し策定される。9月27日の医療保険部会では、改定に当たっての基本認識として、(1)健康寿命の延伸、人生百年時代に向けた「全世代型社会保障」の推進、(2)医師の働き方改革の推進、(3)患者・国民に身近な医療の実現、の3点が示され、議論が始まっている。また10月21日の医療部会では、基本認識に「社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和」が追加された。これらは、今年の6月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019」「成長戦略フォローアップ2019」の内容をより強く押し出して、診療報酬の引き上げを牽制し、医療費総額の抑制を図ろうとする政府の姿勢を示したものとなっている。

緩和ケアの要件見直し、腎代替療法の評価で議論
 中医協は、総会が毎週水曜日開催から金曜日にも開催されるなどペースが上がっている。
 10月9日の中医協は「がん対策」「腎代替療法」「移植医療」について議論された。がん医療については、がん拠点病院加算の算定要件や緩和ケア病棟入院料の要件見直し、外来緩和ケア管理料等の算定対象・算定要件の見直しなどの論点が提案された。診療側委員からは、地域の開業医の緩和ケアへの参加や連携の評価を求める意見が出された。
 腎代替療法では、腎性貧血の経口内服薬(HIF-PDF阻害薬)についての新たな点数評価の体系、シャントに係る処置(拡張・血栓除去等)の適切な評価(引き下げ)と、3カ月未満に狭窄・閉塞を繰り返す患者など対応困難例を踏まえた算定要件の見直しなどが提案された。

小児の薬剤耐性対策、働き方改革では意見が対立
 10月18日の中医協には、「小児外来における薬剤耐性対策」「脳卒中の急性期治療」「医療従事者の働き方改革への評価の在り方」について論点が示された。小児の薬剤耐性対策では、厚労省から提案された小児抗菌薬適正使用支援加算の対象年齢や算定頻度等の見直しについて、診療側は対象年齢を3歳以上6歳未満まで拡大することを主張したが、支払側は月2回以上の算定への違和感とともに、本来的には診療科の要件とすべきと反論した。
 また働き方改革では、院内の労務管理・労働環境改善のための実践について基本診療料等の見直し、医師事務作業補助体制加算で求めている医療従事者等の負担軽減と処遇改善に資する計画の見直しが提案された。診療側が基本診療料等の十分な評価を訴えたのに対し、支払側は時期尚早として次期改定での基本診療料等で対応することに反対し、双方の意見が対立した。

CT・MRIの共同利用、超音波検査の評価見直し
 10月23日には、厚労省から「CT・MRIの共同利用」「ポジトロン断層撮影の共同利用」「ガイドラインに基づく画像検査の利用」「超音波検査の活用」について提案があった。
 CT・MRIの共同利用については、診療側から共同利用のさらなる推進は施設の集約化となりアクセス権の阻害要因となること、共同利用は重粒子線や陽子線など超高額医療機器で進めるべきとの意見が出された。支払側からは、共同利用すべき対象機器の明確化と高機能機器のメリハリのある報酬体系、64列未満のマルチスライス型CTも対象にすべきなどの意見が出された。
 また超音波検査については、厚労省から多臓器の精査や単一臓器の検査の実態を踏まえ、領域別に細分化することが提案された。

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