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【19.10.15】診療報酬改定情報(1)

中医協は第2ラウンドの個別事項の議論へ

 2020年4月の診療報酬改定に向けて、中医協総会での議論が進んでいる。4月から7月までの第1ラウンドでは、「年代別の課題」と「昨今の医療と関連性の高いテーマ」について課題を整理し、議論がすすめられた。
 年代別課題では、「周産期・乳幼児期」「学童期・思春期」「青年期・壮年期・中年期」「高齢期」「人生の最終段階」の5つに分けた課題が示された。また、昨今の医療と関連性の高いテーマでは、かかりつけ医機能、働き方改革、地域医療構想・地域包括ケアシステム、医療のICT化、医薬品・医療機器の適正な利用などの課題が示されたが、国が進める医療提供体制再編の方針を踏まえた提起となっている。

届出や算定状況をもとに、機能強化加算などで議論
 診療報酬改定に向けて個別課題の本格的な議論となる第2ラウンドは、9月11日の中医協からスタートした。この日は今後の議論に向けて、2018年7月時点での届出や算定状況が報告された。支払側の委員からは、機能強化加算について、地域包括加算と比較して、「初診料に一律に算定できるが、かかりつけ医機能を本当に評価しているのか」と疑問を呈する発言があったが、診療側は「施設基準や算定要件が違い比較そのものはナンセンス」と反論した。また支払側から、算定回数が少ないオンライン診療料について、普及しない要因を把握する踏み込んだ実態調査を求める意見が出された。

リハビリの見直し、重複投与の総合的評価など提案
 9月18日の中医協は、厚労省から個別事項として「リハビリテーション」と「医薬品の効果的かつ有効・安全な使用」について提案がされた。
リハビリテーションでは、摂食嚥下障害を有する脳卒中患者への管理栄養士の関わりの重要性やロボットやFESを用いた有効性等の報告、リハ総合実施計画書等の記載項目及び様式の検討などの現状と課題が示され、必要な見直しを検討することが提案された。診療側委員からは、要介護認定患者の維持期リハの廃止に伴う質の担保の調査や、摂食機能療法の経口摂取回復促進加算の専従要件・算定制限の緩和を求める意見が出された。
医薬品の効果的かつ有効・安全な使用については、厚労省から「重複投与」について、服用薬剤の把握と処方薬の総合的な評価・調整を行うための対応や連携を評価してはどうかと提案がされた。また「入院時ポリファーマシーの解消」について、退院時に2種類以上の減薬の場合に評価されているが、減薬の結果だけでなく総合評価し調整する取り組み自体を評価してはどうかとの提案もされた。診療側からは提案を評価する意見が出され、支払側委員からは、今後進められるオンラインによる投薬状況等の確認を要件化するべきなどの発言があった。

働き方改革に関する診療報酬での対応を議論
 9月25日には「医療従事者の働き方」「医療資源の少ない地域等の実情を踏まえた対応」「調剤報酬」をテーマに議論がされた。
 診療側は、業務分担や専従要件の見直し、24時間対応体制の要件緩和など、医療の質を確保しながら弾力的な見直しと診療報酬上の評価を求めた。一方支払側は、働き方改革の上限規制実施までにある3回の改定で段階的に進めるべきとし、マネジメント改革や従事者の意識改革、ICTの推進、オンライン診療の普及、花粉症薬等のセルフメディケーションへの移行などの議論を強調したが、診療側はオンライン診療やセルフメディケーションは財政的な視点で、患者不在の議論だと反発した。

軽視できない健保連提言、医療費削減を前提
 中医協の場外で、健保連が8月下旬にレセプト分析結果を踏まえた提言を発表した。具体的には、(1)「機能強化加算」の算定要件や施設基準の追加、(2)生活習慣病治療薬のフォーミュラリ制度の導入、(3)リフィル処方(繰り返し利用可能な処方箋)の導入、(4)対人業務にシフトした調剤報酬の見直し、(5)花粉症治療薬のOTC類似薬の保険適用からの除外――の5項目となっており、今後の改定議論との関係で注視する必要がある。

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