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【19.09.05】2020年歯科診療報酬改定

中医協総会での「第一ラウンド」の主な議論

 本年3月以降、厚労省・中医協総会では、2020年度診療報酬改定に向けた議論が行われてきた。7月24日をもって「第1ラウンド」の議論を終え、秋以降は個別に具体的な診療報酬の評価に向けた検討が行われる。ここでは、「第1ラウンド」での歯科に関連する主な内容や議論を中心に紹介する。

年代別課題の対応
 周産期・乳幼児期から高齢期までの年代別課題を中心に議論が行われた。幼児期・学童期においては、う蝕・歯肉炎の発症予防や咬合・咀嚼機能の改善への対応が課題として挙げられた。議論の中で、1人平均のう蝕歯数が減少する中、「口腔崩壊」の子どもが一定数いて二極化していることが指摘され、学校保健との連携が求められるとの意見が出された。また、咬合・咀嚼機能に関して、予防的な観点から子どもの歯列矯正の保険適用拡大を求める意見が出された。
 青年期から中年期、高齢期までを含めた世代における課題としては、歯周病罹患率が増加する中、歯周病安定期治療(SPT)の診療報酬上の取り扱いや歯周病と糖尿病・循環器疾患との関連について議論された。また、抜歯数、未処置数・処置済歯数、根面う蝕罹患率などの資料が示され、保存治療や管理の重要性、歯科訪問診療の充実や介護との連携の重要性について意見が出された。

かかりつけ歯科医の問題点
 厚労省の示した資料では、患者が歯科医師・歯科医療機関を選ぶ理由として最も多いのが「かかりつけの歯科医院だから」で全体の半数近く(複数回答)を占める。「かかりつけ歯科医がいる」との回答は6割を超える。これらの調査結果から、診療側委員は「かかりつけ歯科医の機能・役割を果たすことが重要」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)は、か強診以外の診療所より役割を果たしている。患者の満足度などと紐付けしたデータも示してほしい」との意見が出された。しかし、支払側の委員からは「かかりつけ歯科医が具体的にどのような機能を持っているのか見えない」、「歯科医院を選んだ理由の『かかりつけの歯科医だから』は理由にならない」などの問題提起がされた。今後の議論では、「か強診」に対する患者の認知度調査の結果を示して検討をすることとした。

事務・レセプトの合理化
 事務の合理化・効率化の視点で、「レセプトの合理化」では実施日、撮影部位、必要と認めた理由、術式などについて、フリーテキスト形式から選択性などに変更していくことが提起された。
厚労省は「選定療養費に導入すべき事例等に関する提案・意見募集」の結果について報告した。歯科用金属アレルギー患者に対するジルコニアの使用や、インプラント、MTAセメントの使用、小児矯正などを求める意見が出されている。
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 9月以降の「第2ラウンド」では具体的な点数の貼り付けに関わる議論が行われることが予想されるが、歯科医療機関の経営に関わる基本診療料や、日常に行われる処置などの基礎的技術料の評価はもとより、「事務の合理化」などの名の下に歯科医師の裁量権が制約されたり、施設基準などの届出が煩雑化・複雑化するなどの不都合が生じることがないよう現場の声を尊重した議論が求められる。

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