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【18.02.05】診療報酬改定情報(9)

中医協〜答申に向け公聴会を開催
総会で個別改定項目が示される

 1月12日に厚労省から諮問を受けた中医協は、1月19日(金)に千葉市の東京ベイ幕張ホールで公聴会を開催した。また同日に、わずか8日間のパブリックコメントも締め切られた。
 公聴会では、医師3人、歯科医師・薬剤師がそれぞれ1人の他、健康保険組合や患者団体など、参考人として選ばれた10人が意見陳述を行った。
 千葉県医師会理事の佐藤孝彦氏は、現行の地域包括診療料等の負担が大きく算定が広がっていないことを指摘し、「地域包括ケアシステムの構築に向けて、診療報酬でかかりつけ医の後押しを」と要望した。また、今回の改定で検討されている遠隔診療については、利便性だけでなく安全性や有効性のエビデンスを積み上げるべきとし、「安易に診療報酬で手当てすることは問題」との発言を行った。
 病院理事長でもある千葉県医師会副会長の川越一男氏は、病院の経営が厳しさを増していることを踏まえ、経営が成り立つ診療報酬改定を訴えた。特に一般病棟の7対1入院基本料を算定している病院の赤字が著しいとし、現行の重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の見直しについて、基準の引き上げを行わないよう要望した他、医療安全対策加算の点数が低すぎるとし点数引き上げも求めた。
 健康保険組合理事の上野氏は、保険者の財政状況の悪化にふれ、「限りある財源を効率的、効果的に配分を」と述べるとともに、遠隔診療についても「より効率的な医療が促進されるよう進めてほしい」と述べた。また患者団体の香川氏は、多職種によるチーム医療により、疾患に限らず治療と仕事が両立できることが必要と主張した。
 中医協の田辺会長は、機能分化や地域包括ケアシステムの構築、医療安全の重要性は一定の共通した方向性がみられ、遠隔診療などでは意見が分かれたとの総括を行った。

地域包括ケア、かかりつけ医、在宅医療をはじめ、多岐にわたる改定内容
 1月24日の中医協には、点数なしの個別改定項目(いわゆる短冊)が提示された。パブコメや公聴会での意見も十分検討されず、わずか5日後に提案がされたことになる。
 外来医療にかかわる主な内容をみると、地域包括診療料・地域包括診療加算の医師配置要件について、常勤2名以上から常勤1名と非常勤医師の組み合わせに要件が緩和されるとともに、外来医療から在宅医療に移行した患者の実績などによる評価が設けられる。また、地域包括診療料や地域包括診療加算、小児かかりつけ診療料、在医総管・施医総管(支援診・支援病)などの届出医療機関においては、初診料にかかりつけ医機能を評価する「機能強化加算」が新設される。生活習慣病管理料では、療養計画書の記載項目(様式)に、血圧の目標値及び特定健康診査・特定保健指導を実施する保険者からの依頼に応じて情報提供を行うこと等に関する記載欄が設けられ、学会等の診療ガイドライン等の診療支援情報の活用に関する要件が追加される。
 在宅医療では、在医総管・施医総管、在医総の届出医療機関からの依頼を受けた他の医療機関が訪問診療を行った場合の訪問診療料が新設される。ただし、現在の訪問診療料より低い点数設定となり、算定期間や1カ月の算定回数が制限される。また在医総管・施医総管は、「月2回以上の訪問診療を行っている場合」の対象患者の要件が設けられるとともに、点数が引き下げられる。さらに、支援診以外の診療所が他の医療機関との連携等により24時間の往診体制と連携体制を確保している場合に算定する「継続診療加算」が、在医総管・施医総管に設けられる。
 リハビリテーションでは、要介護・要支援被保険者に対する維持期リハビリテーションの経過措置を、平成30年度末までの1年間に限り延長するとしている。また疾患別リハビリテーションについては、末梢神経損傷、外傷性の肩関節腱板損傷患者や回復期リハ病棟退棟後3カ月以内の患者を、算定日数上限の除外対象に加える。
 情報通信機器を活用した診療については、オンライン診療料、オンライン医学管理料、オンライン在宅管理料が新設される。緊急時に一定の時間内に診察可能な体制を有していることや、オンライン診療の割合が一定以下などの要件で施設基準が設けられる。また、初診から一定期間は毎月対面診療を行っている患者に限ることや、オンライン診察と組み合わせた場合も対面による診療間隔が定められるなど、対面診療を原則とした要件が示されている。
 保険給付について検討されていた医療用保湿剤(ヘパリンナトリウム、ヘパリン類似物質)の処方については、患者団体や協会・保団連、学会等からの給付外し反対の声もあり、美容目的など疾病の治療以外の場合は保険給付対象外であることを明確化し、審査支払機関において適切な対応と周知を行うという提案になっている。
 今回の改定は、入院医療体系の再編・統合や医療・介護の連携など、多岐にわたる改定内容となる。今後は具体的な点数が示される2月上旬の答申に向けて、中医協で審議が進められる。

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