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【17.12.05】診療報酬改定情報(5)

医療経済実態調査結果に対する意見が提出される

 12月上旬の中医協では診療側、支払側それぞれから次期改定への意見提出が予定されている。
 その改定議論に影響をしかねない提言が、10月に健保連から行われた。一つは、特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料の算定を、現行の「1カ月2回に限り」から「2カ月に1回に限り」とすべきとの内容である。しかし、慢性疾患の処方が長期化傾向にある中で、受診機会の減少が患者の容態変化への対応の遅れなどにつながる危険性が指摘されており、年間2000億円規模の医療費削減のための算定制限を容認することはできない。
 さらに、外来診療における皮膚乾燥症における保湿剤(ヒルドイド等)の処方について、他の外皮用薬もしくは抗ヒスタミン薬と同時処方されていない場合は保険適用外とすべきとの提言も行われている。これは美容目的の医療用保湿剤の処方が問題視され、11月1日の中医協でも厚労省からこの間のビタミン剤、うがい薬、湿布薬の保険外しの対応が例示され、「保湿剤の適正使用」についてどう考えるかとの提起がされている。しかし、これには日本皮膚科学会やがん患者の団体から、必要な治療が制限され治療継続が困難になると反対の要請がされている。保険給付の縮小の動きに対しては、今後も注視が必要となっている。

在宅医療、入院医療の提案で議論
 11月17日に開催された中医協では、在宅医療について訪問看護における提供体制や病院併設の訪問看護ステーションの評価、関係機関との連携などについて議論され、複数名訪問看護加算の算定回数の上限設定などが提起された。
 11月17日、22日、24日の中医協では、入院医療について提案と議論が行われた。療養病棟入院基本料は看護配置基準20対1に一本化、有床診は「地域包括ケアモデル」への転換推進のため評価と要件の見直し、一般病棟入院基本料については、看護職員等の配置を評価した基本部分と診療実績に応じた段階的な評価部分とを組み合わせた評価体系を導入することなどが提起されている。
 また24日の中医協には、診療側と支払側双方から医療経済実態調査の結果に対する見解が提出されている。診療側は、病院では一般病院での赤字拡大、精神科病院は赤字転落、一般診療所でも「個人・入院収益あり」を除き損益差額率は低下または横ばいであり、過去2回の改定がネットでマイナス改定になったこと、自然増が過度に抑制されていることなどで、医療機関は総じて経営悪化となったとの見解を提出した。
 一方支払側は、一般病院は前回調査に比べ全般的に低い水準、一般診療所は前回調査と比較すると低下しているが概ね高い水準を維持しているとの見解であり、双方の見解、主張の違いが浮き彫りとなっている。

介護保険の居宅療養管理指導は算定区分変更へ
 診療報酬改定と並行して、介護報酬改定の検討が社会保障審議会介護給付費分科会で行われている。10月27日の介護給付費分科会では、全サービス平均の収支差率が3.3%低下したとの報告があり、財務省のマイナス改定の主張に対して、介護保険施設関連団体からは「引き下げの議論自体がナンセンス」「給与費割合が6割は異常」など、厳しい声が上がった。
 11月8日の分科会では、居宅療養管理指導、訪問看護、訪問リハビリなどについて議論がされた。居宅療養管理指導では、これまで「同一建物居住者」と「同一建物居住者以外」で算定単位数を区分していたが、医療保険の在医総管等の評価方法に準拠して同一月の「単一建物居住者」の数で区分すること、特別地域加算等を新設することなどが提案され、了承された。
 訪問看護については、これまで同じ単位数であった要支援と要介護の単位数を区分すること、看護補助者を含む複数名訪問看護加算の新設などが提案された。また訪問リハでは、専任の常勤医師の配置の明確化、特別地域加算等の新設などを提案。訪問リハは基本報酬の1時間単位への変更と大規模型の報酬引き下げ、各種加算の新設などが提案され、概ね了承がされた。
 11月22日は介護医療院の人員配置や設備などの基準、基本報酬、転換の場合の経過措置などが提案された。介護医療院の人員基準では、病院の療養機能強化型療養病床に準拠(ただし介護職員は5対1以上)する儀燭函医師と薬剤師は老健施設に準拠する況燭示された。設備は儀拭Ν況燭箸眦彰昂燭藁斗楜’酋化型療養病床に準拠し、基本報酬は準拠する施設を参考とすることが示された。また転換の場合は、大規模修繕まで療養室や廊下幅の基準を緩和すること、2021年3月末までの措置として、転換前後のサービス内容の説明等を評価した加算の新設(転換後1年間に限って算定)も提案が行われ、概ね了承がされている。

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