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【17.11.25】診療報酬改定情報(4)

外来医療、在宅医療など論点の提案で議論

 10月25日の財務省財政制度等審議会の財政制度分科会で、賃金・物価と比較した診療報酬の水準が高いとし、薬価なども含めた全体(ネット)で「2%半ば以上」のマイナス改定をすべきとの主張がされた。保団連では、「2002年から続いた4回のマイナス改定後にも実質的なプラス改定が行われないまま、さらに診療報酬が引き下げられると、医療従事者の人件費の引き下げや過重労働にもつながり、安心・安全の医療提供体制の崩壊につながる」と反対を表明。日医も少なくとも本体プラスと主張しており、改定率が示される年末に向けた運動が重要となる。

維持期リハは経過措置期間を一年延長で提案
 一方、中医協では改定に向けた議論が進んでいる。10月25日の中医協総会では、要介護被保険者の疾患別リハビリについて、医療保険と介護保険を同時に行う場合の施設基準を緩和しつつ、当面2019年3月31日まで延長する方針が厚労省から示された。支払側委員は「ずるずると先送りされており、一年延長の前に必要な対応の工程表を示してほしい」と反発したのに対し、診療側委員は、「介護でのリハビリの受け皿の問題や、医療に戻れる仕組みの検討などが必要」との考えを示した。

生活習慣病管理料の要件見直しや遠隔診療など議論
 11月1日には、外来医療を議題に審議が行われた。生活習慣病の重症化予防については、厚労省から検査値の目標や特定健診・特定保健指導の受診勧奨といった療養計画や、ガイドラインやデータに基づく診療支援の点から、生活習慣病管理料の要件見直しが提案された。さらに、薬物療法について降圧剤の使用実態が報告され、最も有効で経済的な医薬品の使用指針(フォーミュラリー)の策定・実践の提起も行われた。
 続いて遠隔診療について、福岡市で取り組まれている事業が報告され、一定程度の受診期間等を求めること、事前の治療計画の作成・患者同意の取得などを、診療報酬評価の要件として定めるべきではないかとの提起がされ、電話等による再診料との整理の必要性にも言及した。また、睡眠時無呼吸症候群に対する持続陽圧呼吸療法で、遠隔モニタリングによる管理の評価見直しも提案された。
 生活習慣病については、診療側・支払側とも賛同の意見があったが、遠隔診療の診療報酬上の評価については、診療側委員から「時期尚早」との意見が出され対面診療の重要性が強調された。
 その他、後発医薬品の使用促進として、後発医薬品使用体制加算の算定要件の見直しと一般名処方のさらなる推進、多剤・重複投薬等の適正化として、薬剤師の処方提案により医師が処方変更して患者の服用薬剤が減少した場合の評価の検討、残薬調整にかかわる処方せん様式の見直し、美容目的での使用実態が指摘されている医療用保湿剤の適正使用なども論点にあげられた。
 支払側委員からは、後発医薬品の数量目標80%を見据え、処方せん様式から後発医薬品への変更不可欄を削除する意見や、医療用保湿剤の単剤使用では保険適用除外の意見も出された。これに対し診療側委員からは、皮膚乾燥症はより重い疾患につながる可能性があり、本来必要な人が不利益にならないようにすべきとの主張がされた。

複数医療機関が訪問診療を行う場合の評価を検討
 11月8日は、医師や医療従事者の常勤要件の見直し、医師の勤務や夜間の看護職員の負担軽減に関する見直しなどが提案された。また、医療経済実態調査の結果報告があり、前回改定前後の比較で病院の損益率が軒並み悪化し、診療所も微減していることが明らかとなった。この日に調査結果が承認され、田辺中医協会長から診療側・支払側委員に対し、11月下旬に実態調査に対する意見、12月上旬に次期改定への意見を準備するよう要請がされている。なお同日に、マイナス改定を主張する財務省サイドから実際の施設数を考慮した数値が示され、「損益はむしろ改善」との見解が出された。しかし、11月10日の中医協で厚労省は「実態調査は適切なものと考えている」との見解を示している。
 11月10日の中医協では在宅医療が議題となり、厚労省は一人の在宅患者に複数の医療機関が訪問診療を行った場合に、在宅の主治医以外の医療機関の訪問診療も評価することを提案した。主治医からの他の医療機関に訪問診療の依頼がされて実施した場合の点数を設けるとしている。その他、地域医師会等の協力で、支援診以外の複数医療機関が連携し24時間対応を含めた体制を構築し、訪問診療を提供している場合の評価の検討、末期の悪性腫瘍の患者に対する在宅時医学総合管理料等について、医療機関とケアマネジャーとの情報共有・連携等を算定要件とすることなどが提案された。

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