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【17.11.05】診療報酬改定情報(3)

中医協総会の議論は週1回にペースアップ

 2018年4月の診療報酬改定に向けて、中医協では第二ラウンドの議論が進んでいる。総会は今までの2週間に1回の開催から、10月に入り週1回の開催へと、改定の具体的な方針が示される第三ラウンドに向けて、開催のペースが上がっている。

請求事務の効率化・合理化とレセプト情報の利活用
 9月27日の中医協では、請求事務の効率化・合理化及び診療報酬情報の利活用等を見据えた対応について、提案・議論がされた。
 効率化・合理化については、施設基準の届出項目や手続きの簡素化やオンライン化、レセプトの摘要欄についてフリーテキスト形式から該当を選択記載する方法への見直し、レセプト添付書類の見直しなどがあげられた。診療報酬情報の利活用では、地域差に係る分析・評価を容易にするため、郵便番号と氏名のカタカナ記載を求めることや、手術等のコード体系の統一化などが提案された。
 議論では、支払側委員から審査のコンピュータチェックや受療行動の把握が進むことを期待する意見が出されたが、診療側委員からは、効率化には賛意を示しつつも「レセプト記載の簡略化が審査の硬直化につながり、患者の多様な様態に柔軟に対応できるような診療の幅がなくなる」ことを懸念する意見が出された。また「郵便番号や氏名のカタカナ記載は、古いレセコンでは対応できず、買い替えの費用負担も発生する」と、医療機関への負担に配慮を求める意見も出された。
 なお、請求事務の効率化・合理化とレセプト情報の利活用については、来年の改定だけでなく、次々回の改定も考慮した対応を進めることが示されている。

がんの医療用麻薬の投与日数上限の見直しなど
 10月4日の中医協では、がん、緩和ケア、感染症、移植医療に係る課題と対応案が提起された。がん対策では、小児入院医療管理料の届出状況を踏まえ、がん診療に係る加算等の見直しをあげた。また緩和ケアでは、在宅の末期がん患者に対する在宅酸素療法指導管理料等の算定要件の見直し、がん疼痛療法に適応のある医療用麻薬のうち、新規収載医療用麻薬の投薬上限日数を30日に見直すことなどが提案された。
 医療用麻薬の投薬日数上限の見直しについては、診療側から「注射薬は中毒を起こしやすく慎重な対応が必要。長期処方の容認はリスクでしかない」との意見が出された。

妊産婦の外来管理評価や精神科等との連携を議論
 10月11日には、救急医療の提供体制、小児慢性特定疾患患者の入院医療、妊産婦の外来管理、医療安全対策について論点が示された。
 妊産婦の外来管理については、論点として(1)妊娠中に産科以外の疾患で外来受診した場合の評価の検討、(2)精神疾患を有する妊婦に対して産科と精神科、自治体等が連携して診療する体制の評価の検討が示された。支払側からは「単に外来受診の連携評価でなく、研修を受ける等の要件の明確化を」との意見や、「風邪でも評価するのか。診療科による区分を設けるのか」との質問も出された。厚労省は「現時点では個別疾患よりもハイリスク妊婦を念頭においている。個々の疾患や管理にしばりを設けることは主旨に反する」との考え方を示した。
 また精神疾患を有する妊婦に対する連携体制については、診療側から産科外来においても個々の医療機関の連携に対する評価を求める意見や、「対象は病院なのか診療所なのか」などの質問も出されたが、厚労省は「最初から病院と枠をはめているものではない。全て今後の議論」と述べた。

通院・精神療法等で精神保健指定医の評価見直し
 10月18日の中医協では、精神医療をテーマに議論。精神保健指定医による通院・精神療法等の評価見直し、精神科救急医療体制や急性期病棟の評価、措置入院患者の退院後の継続的な支援の評価などの論点が示された。
 診療側委員は「精神科医療の9割は外来で治療している。精神科診療所の医師は、かかりつけ医と専門医の側面があり、精神保健指定医の評価は当然」との考えを示し、診療所と病院との連携の重要性も強調した。
 厚労省が示した論点では、精神疾患患者の地域移行への対応として、入院患者の高齢化を踏まえ移行先(退院先)の要件を、自宅や精神障害者施設に加え特養や老健施設を追加すること、在宅医療では在医総管・施設総管と精神科重症患者早期集中支援管理料の点数設定の整理と評価の在り方の見直しも挙げられた。特に反対意見は出なかったが、移行先要件の追加について「患者の受け皿としての体制ができているのか」との指摘や、質の確保の必要性について意見が出された。

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