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【17.07.05】個別指導における主な指摘事項(医科)

2016年度個別指導における主な指摘事項(医科)

 東海北陸厚生局より入手した昨年の個別指導における主な指摘事項の資料から、愛知県保険医協会が抜粋した主な内容を記載する。診療録の記載や保険請求の算定ルールなど、日常診療の参考にしてください。

【診療録】
・必要事項の記載のない診療録が認められた。診療録は保険請求の根拠となるものであるから、医師は診療の都度、遅滞なく必要事項を記載すること。
・診療録に傷病名の開始年月日、終了年月日、転記欄の記載がない。
・「既往症・原因・主要症状・経過等」の欄と、「処方・手術・処置等」の欄を区別して掲載していない。
・複数の医師により診療が行われる場合には、責任の所在を明確にするため、診療の都度、診療録に署名又は記名・押印を行うこと。
・保険診療の診療録と保険外診療(自由診療)の診療録を区別して管理していない。
・診療録の分冊更新に際して、診療経過要約の記載が乏しいため、診療の連続性が保たれていない診療録が認められた。
・電子カルテについて「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.3版」に準拠していない例が認められた。

【傷病名】
・主病が確認できない例が認められた。診療報酬明細書に主傷病と副傷病の区別ができない例が認められた。
・傷病名マスター(「電子情報処理組織の使用による費用の請求に関して厚生労働大臣が定める事項及び方式並びに光ディスク等を用いた費用の請求に関して厚生労働大臣が定める事項、方式及び規格について」別添3)に収載されていない傷病名が付けられている。
・多数の傷病名が付与されている例が認められたので、必要に応じて適宜整理すること。
・部位、左右の別、急性・慢性の別の記載がない。
・長期にわたる疑い病名が認められた。
・診療録と診療報酬明細書の傷病名が一致しない。
・診療報酬明細書に転記の記載がないまま、翌月に消失している傷病名が認められた。

【基本診療料】
・同日再診について、再診に附随する一連の行為と見なされる場合には、別に再診料は算定できないので、改めること。
・再診料(電話再診)の算定において、診療録に診察所見の記載がないにもかかわらず算定されていた。
・外来管理加算について、診療録に患者からの聴取事項及び診察所見の要点の記載がない。
・夜間・早朝等加算について、受付時間を診療録に記載するなどにより管理を行うこと。
・地域包括診療加算について、診療録に療養上必要な指導等の記載が乏しく、継続的かつ全人的な医療を行うことに同意する同意書が添付されていない。

【医学管理等】
・特定疾患療養指導管理料について、診療録に管理内容の要点の記載がない。
・初診料を算定した日から一カ月を経過する前に特定疾患療養指導管理料が算定されていた。
・特定薬剤治療管理料について、診療録に薬剤の血中濃度、治療計画の要点の記載がない。
・悪性腫瘍特異物質治療管理料について、診療録に腫瘍マーカー検査の結果、治療計画の要点の記載がない。
・てんかん指導料、難病外来指導管理料、皮膚科特定疾患指導管理料、耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料について、診療録に診療計画及び診療内容の記載のない例が認められた。
・診療情報提供料(機砲了残蠅砲いて、診療録に提供した文書の写しを添付していない、紹介先医療機関、担当名の記載がない例が認められた。
・療養費同意書交付料について、同一疾病に係る療養の給付との併用はできないことに留意すること。

【在宅医療】
・訪問診療の計画を変更する場合は、患者又はその家族等の同意を得たうえで行うこと。
・在宅時医学総合管理料(処方せんを交付しない場合の加算)を算定しているにもかかわらず、投薬に係る薬剤料を誤って算定していた。
・在宅自己注射指導管理料、在宅酸素療法指導管理料、在宅寝たきり患者処置指導管理料、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料、在宅人工呼吸指導管理料について、診療録に指示した根拠、指示事項、指導内容の要点の記載がない。
・血糖自己測定器加算について、診療録に血糖自己測定の回数の根拠の記載がされていない。測定回数の確認ができず、記録に基づいて管理されていない。
・導入期加算(在宅自己注射指導管理料)について、指導内容を詳細に記載した文書を作成していない例が認められた。
・訪問看護指示書に記載された内容が画一的な例が認められたので、患者の状態に沿った療養上の指導内容を記載すること。

【検査・画像診断】
・検査について、診療録に診断所見、検査の必要性、結果及び結果の評価の記載がない。
・画一的な検査の傾向が見受けられる。検査は、個々の症状・所見に応じ、必要な項目を選択し、段階を踏み、必要最小限の回数で実施すること。
・画像診断について、診療録に診断所見がない例が認められた。
・撮影した画像を電子化して管理及び保存しているにもかかわらず、フィルムを誤って算定している。

【投薬・注射】
・特定疾患処方管理加算について、厚生労働大臣が定める疾患を主病とするもの以外の患者に対して算定している例が認められた。
・ビタミン剤について診療録に投与が必要かつ有効と判断した趣旨の記載がない。
・外用薬の処方せんについて、「用法」「用量」として、一日の使用回数、使用時点及び使用部位を記載すること。
・注射は、経口投与では治療の効果が期待できない場合や、特に迅速な治療効果を期待する場合に行うことに留意すること。

【リハビリテーション】
・疾患別リハビリテーションの実施にあたって、定められた様式に準じたリハビリテーション実施計画書を作成すること。
・疾患別リハビリテーションについて、上限単位数を超えて行ったリハビリテーションの単位数を誤って算定している。
・リハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション総合実施計画書の記載内容が乏しい例が認められたので、患者の疾患、状態等を総合的に勘案し適切に作成すること。
・リハビリテーション総合実施計画書について、記載内容が画一的である。

【精神科専門療法、処置、手術】
・心身医学療法について、診療録に指導を行った要点について記載がない。
・創傷処置について、診療録に処置した内容の記載がない例が認められた。
・手術記録について、診療録への記載の乏しい例が認められたので、記載内容の充実を図ること。
・手術の実施にあたっては、全ての患者に対して、文書を用いて手術内容等を説明するとともに、その控えを診療録に添付すること。

【その他】
・一部負担金について、徴収すべき者から徴収していない例が認められた。
・一部負担金等の計算記録の管理方法が不適切な例が認められた。
・保険医療機関の届出事項の変更が速やかに行われていない。
・請求事務について誤請求がいくつか認められた。医師と事務員との十分な連携を図り、適正な保険請求に努めること。審査支払機関へ提出する前に、医師自ら点検を行うこと。

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