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【16.09.05】診療報酬改定 医科会員アンケートの結果(下)

複雑な算定ルールをなんとかして欲しい

 前回に続いて、5月20日(金)から6月10日(金)にかけて実施した「診療報酬改定に関するアンケート」の愛知の調査結果の概要を紹介する。

「止むを得ない」が「これ以上はダメ」〜湿布の投与制限
(1)湿布薬の70枚超投与制限
 今回の診療報酬改定で、規制改革会議や経済財政諮問会議、財務省サイドから市販品類似薬の「保険外し」の強い圧力のもとでターゲットにされた結果、一応決着した形の湿布薬の投与制限についての考えを5つに分けて尋ねた。
 最も多かったのは「限られた財源の中では止むを得ない」という回答で約45%に達する。次いで、「今回は認めるが、これ以上の保険外しには反対」(24%)だった。今回の措置についても「容認出来ない」との回答は約1割である。(表1)  

 第一標榜科が内科と整形外科の医療機関についても多い順は変わらないが、整形外科では「容認出来ない」とする回答割合が高い。
 「その他」の意見の中では、レセプトや処方せんの記載の簡素化を求める意見が多数寄せられており、これは不合理是正として改善を求める。
 一方、「投与制限は医学的に妥当」などという意見も少数ながらあった。
(2)減薬・後発医薬品推進について
 今回の改定では薬剤に関連して大きな改定がなされ、調剤報酬が大きく変わった。投薬に関連して、減薬と後発医薬品の推進が大きな特徴といえる。そこで、減薬を評価する「薬剤総合評価調整管理料」と、後発医薬品の使用を推進する「外来後発医薬品使用体制加算」について考え方を尋ねた。
 このうち、「主に院内処方」をしている医療機関のグループの結果が(表2)である。
 いずれも「何ともいえない」とする回答が一番多い。  

 減薬を評価する「薬剤総合評価調整管理料」については「容認できる」「容認できない」の回答が拮抗しているのに対して、後発医薬品を推進する「外来後発医薬品使用体制加算」については「容認できる」が「容認できない」の約2倍になった。この傾向は回答者全体の結果も同様であった。
 また、いずれの設問においても「容認できない」場合の理由を尋ねた。
 薬剤総合評価調整管理料についての「容認できない」理由では、減薬したのに一部負担額が増えるのは患者に説明出来ない、とする意見が多く寄せられた。また、医師の薬剤選択権侵害を危惧する意見も多く寄せられた。
 外来後発医薬品使用体制加算の場合は、先発品と後発医薬品が品質や安全性において先発品と同等であるとするエビデンスを確立することが先ではないか、という趣旨の意見が多く寄せられた。また、「先発医薬品の値段を下げれば良い」とする意見もあった。
(3)院外処方せんの様式変更による影響
今回の改定では院外処方せんの様式が変更されたが、調剤報酬の変更とも関連して変化があるかどうかを尋ねた。
 このうち、「主に院外処方」をしている医療機関のグループの結果が(表3)である。アンケートの実施時点では、「特に影響はない」とする回答が圧倒的に多く、約8割になる。
 影響があったとする回答では、「薬局からの疑義照会が増えた」が17%。「薬局から減薬の提案が増えた」とする回答はわずかであった。  

全体の底上げにつながる初再診料や入院基本料引き上げこそ求められている
(4)不合理是正が必要な項目
 今回の改定で、特に改善が必要だと思われる項目について15項目を上げ、いくつでも選択可能として尋ねた。その結果を割合の高い順にしたのが(表4)である。
 第1位は「点数算定のルールがいっそう複雑になったこと」で6割を超える回答者が改善が必要なことと捉えている。
 第2位は、「初再診料、入院基本料が据え置かれたこと」で、政策的な誘導策としての改定ではなく全体の底上げを求める声が強い。第3位以降は、「市販品類似薬の保険外しが進められたこと」「1処方70枚超の湿布薬の投与が制限されたこと」など保険外しにかかわる問題がいずれも2割を超えた。
 今回の診療報酬改定で新設された鼻腔・咽頭拭い液採取の算定では、厚労省の告示・通知に「1日につき」という文章は無く、当然、実施した回数毎に算定できると考えていたものを1日1回に制限する取扱いが4月25日になってから疑義解釈の事務連絡で示された。告示や通知の訂正は無い。こうした不合理に対する改善要望が第5位になっている。
 「その他」の意見では、「点数簡素化」の名目で廃止された手術料が実質引き下げになってしまったこと、医学管理料の算定要件の緩和を求めることなど意見が寄せられた。  

(5)自由意見欄
 自由意見欄には、点数の複雑化についての要望が多く寄せられると共に、「かかりつけ医」「在宅医療」「精神科医療の改定」「投薬」「リハビリテーションと介護保険」「入院料」などの要望や意見が寄せられた。また、肛門科や泌尿器科から点数引き上げを求める意見もあった。
 ここでは具体的な内容は紹介出来ないが、それぞれ頂戴したご意見は、要望として厚労省に提出する予定だ。(おわり)

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