会員のページ

【16.08.25】診療報酬改定 医科会員アンケート結果(上)

「4月前年対比の点数はマイナス」という回答が3分の2に

 5月から6月初めにかけて実施した「診療報酬改定に関する」医科会員アンケートの結果、回答者の6割以上が、複雑化している点数算定ルールの簡素化を求めていることが分かった。二番目に多かったのは、初再診料や入院基本料など全体の底上げになる点数が据え置かれたことが問題という回答だった。協会では、寄せられた意見等をもとに、今後厚労省などに対して「不合理是正」の改善を働きかけることにしている。(調査の詳細は今回と次回で紹介します)

3分の2の医療機関が「マイナス改定」と回答
 アンケートは5月20日から6月10日にかけてFAX登録をしている医科正会員3,222人に依頼し、578人(17.9%)から回答を得た。
 調査の目的の一つは、今回の改定が会員医療機関にとってプラスになったのかどうかを伺うこと。設問は、「今年4月診療分レセプト一枚当たりの平均点数は、前年同月比でいかがでしたか?」とし、増えたか、減ったかを尋ねるとともに、4つのランクに分けて内訳も尋ねた。その結果、無回答を除いて「減った」のは66.7%と3分の2の医療機関が一年前に比べて平均点数が下がっている結果となった。4つの内訳では、「マイナス1%〜5%」のランクが一番多く、「0%〜マイナス1%」が二番目に多かった。今回の診療報酬改定は、実質マイナス1.44%と言われており、今回の調査結果はこれを裏付けるものとなっている。
 なお、今回のアンケートは保団連東海ブロック協議会(愛知・岐阜・三重・静岡)で共同して実施しており、その結果も踏まえて、厚労省への要請など今後の運動に生かしていくことが確認されている。このうち、愛知のアンケート結果の概要を2回に分けて紹介する。

「主に院内処方」の医療機関の点数は全体よりもさらにマイナス
1.調査の目的……調査の目的は次の5点
〜澗里箸靴討硫定率が会員医療機関にとってプラスになったのかどうか
一層複雑になった在宅医療に対する会員の受け止め
湿布薬の投与制限や投薬に関する政策誘導策に対する受け止め
げ餔の改善要望を尋ね、今後の不合理是正の要求、運動に反映させること
ゼ由意見で数の少ない標榜科の会員からの意見も聴き、厚労省などに届けること
2.調査の対象、方法、調査期間
◯医科正会員のうちFAX登録で送信できた会員3,222人を対象とし、送付・回収ともFAXにより行った。
◯期間は、2016年5月20日(金)〜6月10日(金)
◯回収数は578人、回収率は17.9%
3.結果の概要
(1)医療機関の形態
 病院と診療所では、診療所が91.2%になる。
(2)医療機関の診療科
 医療機関の第一標榜科は内科が最も多く半数を超える。次いで、整形外科が1割。外科、小児科等は同数で5%。次いで、精神・神経科、産婦人科・眼科・皮膚科と続く。県内の診療所の構成割合と比較して内科が少し高く、眼科・耳鼻咽喉科が低いほか、ほぼ同じ傾向だった。(表1)  

(3)主に「院内処方」か「院外処方」か
 処方については院外・院内の比率はおおよそ6対4だった。
(4)前年同月の平均点数の対比
 今次改定の影響を見るため、4月診療分レセプト1枚当たりの平均点数について前年同月に比べて、どうだったかを尋ねた。
 最も回答が多かったのはマイナス1%〜5%、次いで0%〜マイナス1%であった(表2−1)。今回の改定が総枠でマイナス1.44%のマイナス改定であったことを反映しているといえる。  

 また、主に院内処方の医療機関なのか院外処方の医療機関なのかによって違いを見たところ、院内処方の医療機関の方がよりマイナスにシフトしていることが分かった。一方、訪問診療を実施している240医療機関については、全体の傾向と大きな相違は無かった。(表2−2)  

認知症地域包括診療料・同加算を「積極的に算定」する割合は低い
(5)かかりつけ医の機能
 新設された認知症地域包括診療加算について、「積極的に算定する」回答の比率は低く6.3%に過ぎない。第一標榜科が内科の医療機関では、8.9%と全体の回答よりも比率が高いが、「考え方に賛同できないので算定しない」とする回答も全体の比率よりも高く18.1%と「積極的に算定する」の2倍を超えている(表3)。かかりつけ医以外の受診時に患者から定額負担を求める動きが最近あることも反映しているのか、この点数の評判は良くない。  

在宅では、患者の療養場所や人数による点数格差が「容認できない」
(6)在宅医療の問題
 定期的な訪問診療をしている医療機関は回答の約4割、240医療機関であった。
 この240医療機関に今回の改定で大幅に変更された在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料について容認できるかどうか、4点について尋ねた。
 全体として「何ともいえない」とする回答が4割前後あるが、容認できる割合が高いのは「月1回の訪問診療の点数が導入されたこと」「重症者の考え方の導入」であり、一方容認できない割合が高いのは、「単一建物診療患者の考え方で人数により点数に格差を設けたこと」「同じ患者でも訪問状況によって点数がかわること」であった。(表4)
 患者の状態により評価を変えることは了承するが、患者の療養場所や条件で格差を設けることには反対するという傾向が読み取れる。
 その他、在宅点数についての改善要望を尋ねた意見欄では、在宅の改定内容が複雑になり「患者や施設関係者にも説明しづらい」「シンプルな算定にして欲しい」という意見が多く寄せられた。また、「在宅の特定保険医療材料が逆ざや」との意見もあった。(つづく)  

▲ このページの先頭にもどる