会員のページ

【15.09.05】保険請求質問箱(医科)

「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」除菌治療の取扱い

 協会に寄せられる保険請求に関するご質問の中で問い合わせが多いものを取り上げ解説します。
今回は「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」除菌治療の取扱いについて。

Q.1血液検査(健康診断で行われた場合を含む)により「ピロリ菌抗体陽性」と判定された患者について、「胃炎」の診断名があれば除菌治療を保険請求できるか?
A.1請求できない。
 ヘリコバクター・ピロリ除菌治療の保険適用対象患者は以下の5つに限られている。また、「胃炎」については「内視鏡検査」による「胃炎」の確定診断が必須である。「ピロリ菌陽性」だけでは保険請求の対象とならない。
 ‘盪覿生〆困泙燭和け萄涕〆困砲いて、胃潰瘍または十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
 胃MALTリンパ腫の患者
 F暖性血小板減少性紫斑病の患者
 ち甦胃癌に対する内視鏡治療後の患者
 テ盪覿生〆困砲いて胃炎の確定診断がなされた患者
 ※胃潰瘍または十二指腸潰瘍の場合は、造影剤検査による確定診断であっても検査・除菌治療を保険請求できる。

Q.2「内視鏡検査等で確定診断した際の所見・結果をレセプトの摘要欄に記載すること」とされているが、「傷病名」欄から胃潰瘍、十二指腸潰瘍または胃炎と判断できる場合には、胃潰瘍、十二指腸潰瘍または胃炎と確定診断した内視鏡検査または造影剤検査(胃潰瘍または十二指腸潰瘍に限る)の実施日を記載することでもよいか?
A.2差支えない。

Q.3健康診断で行われた血液検査の結果ヘリコバクター・ピロリ菌抗体陽性となったが、内視鏡検査を施行せず除菌のみを希望する場合の投薬の費用は自費診療となるのか?
A.3自費診療となる。
 ヘリコバクター・ピロリに感染していることだけでは保険診療の対象とならない。保険診療として取り扱うためには内視鏡検査等により治療が必要な胃炎または胃潰瘍等の確定診断が必要。

Q.4健康診断で内視鏡検査を受け胃炎の確定診断があり、その結果をもって受診した患者についてヘリコバクター・ピロリ感染検査を保険請求できるか?
A.4健康診断の内視鏡検査にて胃炎の診断が確定していれば、レセプトの摘要欄に内視鏡検査施行日と「健康診断の内視鏡検査で胃炎」等の記載をし、ヘリコバクター・ピロリ感染検査並びに検査結果が陽性であった場合に除菌治療を保険請求することができる。

Q.5内視鏡検査の実施時期はいつの時点のものまでが有効か?
A.5定めはないが、日本消化器病学会では6カ月以内が有効との見解を示しており、6カ月を超えている場合には再度の内視鏡検査の実施を推奨している。主治医の判断において、1年以内の内視鏡検査であれば有効とする見解もある。

Q.6ヘリコバクター・ピロリ感染診断の検査法のうち、「ヘリコバクター・ピロリ抗体測定」をプロトンポンプ阻害薬(PPI)を2週間以上休薬せずに実施した場合、当該検査の費用は算定できるか?
A.6算定できる。
ヘリコバクター・ピロリ抗体測定については、静菌作用を有する薬剤の影響を受けないことから、休薬しない場合でも算定が認められている。

Q.7ピロリ感染診断を行う場合、除菌治療を行う場合の適切な病名は?
A.7内視鏡検査で胃炎の確定診断のもと感染検査を行う場合には「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の疑い」。除菌治療を行う場合は「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」の病名が必要。

※2014年版「保険診療の手引」511〜516ページに「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断および治療について」等、取扱いについてチャートを含め解説があるので参照されたい。

▲ このページの先頭にもどる