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【12.01.15】医科診療報酬改定情報(7)

改定率決まる〜実質マイナス改定

 4月診療報酬の改定率が昨年12月21日の夜決まった。小宮山厚労大臣と安住財務大臣との交渉で合意文書が交わされたもの。
 本体改定率は、プラス1.379%、薬価等の引き下げが医療費換算で1.375%となり、総枠は差し引き0.004%引き上げと発表されたが、同時に改定される長期収載医薬品が0.06%引き下げられるため、実質0.056%のマイナス改定となった。
 協会は、12月16日、両大臣と野田首相に対し緊急要請書を送付し、診療報酬の大幅な引き上げを求めたが、願いは届かなかった。
 今後、1月中旬に諮問、公聴会などを経て2月上旬に答申となるもようだ。
 
 また、介護報酬については1.2%の引き上げで合意された。しかし、これは国庫補助金で賄われていた介護職員の処遇改善のための費用2%分を介護報酬に盛り込む措置を含めたものであり、それを差し引くと実際はマイナス0.8%となる。

本体改定率の財源は5,500億円に

 昨年末に決まった改定率をめぐる状況を紹介する。
 2012年4月診療報酬の改定率

「首の皮1枚」「髪の毛1本」のプラス?
 確定した改定率は表のとおり。2年前の前回改定と比較すると、前回は全体改定率が、公称+0.19%(医療費ベースで700億円)であったのに対し、今回は0.004%(医療費ベースで16億円)と、限りなくゼロに近い。確定した後の記者会見で小宮山厚労大臣は、「以前から『首の皮1枚でもプラスにする』と言ってきた。そこがプラスになったことに意味があるので、据え置きとは言わないでほしい」と述べた、という。また、民主党が「髪の毛一本でもプラスに」と主張してきたことが反映した(『メディファクス』2011年12月22日付)とも伝えられる。
 しかし、前回改定でも薬価引き下げ分として計算されず、マスコミから「診療報酬増を『偽装』」(『毎日新聞』2010年1月31日付)と指摘された長期収載薬等の追加引き下げ分が今回も計算の枠外に置かれており、これを加えると表のとおり、実質マイナス改定になってしまうのが今回の改定である。
 診療報酬本体引き上げの医科・歯科・調剤の分配も決められ、医科は4,700億円、歯科は500億円とされた。ただし、前回のように医科の内訳をさらに細かく入院、外来の配分まで決めることはしなかった。


日医は95点、日歯は80点と評価
 日本医師会は今回の改定率決定について、全体改定率が0.004%増になったことを高く評価し、原中会長は記者会見で、「(プラスが)ほんのわずかであっても民主党、政府が地域医療の崩壊を少しでも直そうという気持ちの表れであった。大変感謝している」と述べ、改定率に点数を付けるならとの質問には「95点」と答えた、と伝えられている。(『メディファクス』2011年12月26日付)。また、日本歯科医師会の大久保会長は、点数を付けるならという質問に、「80点に近い評価」と答えた、という。


20日に津島で中医協の公聴会
 改定率と財源配分が決まったことから、今後、具体的な改定内容の詰めの作業が中医協を主な舞台として行われる。
 スケジュールは前回改定の流れを踏襲すると予想され、それによると1月中旬に諮問、同時に改定状況についての「現時点での骨子」が発表され、それに対する意見募集(パブリックコメント)の実施、1月下旬に公聴会、2月10日前後に答申、となるもようだ。
 このうち、中医協の公聴会は、1月20日(金)午後、津島市で開催されることが決まっている。

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