会員のページ

【11.07.11】東海北陸厚生局の指導方針2011(2)

個別指導の件数は増加傾向に〜指導の通知が来たら協会へ

 2011年度の指導方針を決める選定委員会が3月22日に開かれ、今年度の個別指導の具体的な方法について大きな変更がないことが決まった。協会が東海北陸厚生局に情報開示を求めて入手した資料から、個別指導について紹介する。

前年度の実績は医科25・歯科56

 個別指導は新規開業医を対象としたものと既設医療機関を対象としたものに分けられ、それぞれ仕組みが異なっている。
 
 2010年度の個別指導の実績、今年度の予定数は〈表〉のとおり。
 
 新規の個別指導は開設から一年程度で予定どおり実施されている。
既設医療機関を対象とした個別指導において2010年度の予定と実績の数字に大きな乖離があるのは、「高点数」と認定された医療機関まで実際にはやりきれていないためだ。2009年度の実績は医科が13件、歯科が35件であったことからすると実績数は前年度よりも増えているものの予定数とはまだかなり隔たりがある。予定された医療機関のほとんどは、集団的個別指導の対象医療機関の上位半分である「高点数医療機関」である。しかし、これは優先順位が低いため医科では「高点数」理由で実際に個別指導となったケースはめったにない。歯科の指導では、2010年度の実績で、「高点数」理由が37件あることについて、東海北陸厚生局は、「歯科の場合、支払機関や保険者、患者などからの情報提供をもとにして行う指導など他の理由によるものが少ないため」と述べている。結局、厚生局側の体制によって指導ができる年間件数は事実上決まるので、体制が余程厚くなるか指導方法が変更されない限り、現実の指導数は変わらないことになる。
高点数であることを問題にする集団的個別指導や個別指導のあり方そのものに協会・保団連は反対し、次のように要望している。
(1) 高点数を選定基準とする集団的個別指導は廃止すること
(2) 1件あたりの平均点数が高いことを理由に保険医療機関を個別指導の対象としないこと
 
 なお、3月22日に開かれた選定委員会の議事録によると、個別指導について、「情報提供等」の理由があって選ばれ、年度内に個別指導が実施出来ずに積み残しになった医療機関については、原則として翌年度の選定対象に改めて選ばれること、が明らかになっている。

指導対象のリストの提示方法など前年どおり

 既設医療機関を対象とした個別指導の場合、指導の対象となる患者リストがおおよそ30人示される。この提示方法は前年と変わらず、4日前に15人、前日の夕方に15人がFAXで知らされる。4日前と前日との違いについて、東海北陸厚生局指導監査課の担当者は、「より重点的に指導したいレセプトを前日に指定する」と述べている。この方式は厚労省の「平準化」の方針にそったもので全国的な流れになっている。
 
 なお、新規指導の場合は対象リストは10人程度、全て4日前にFAXで連絡される。
 
既設では「概ね妥当」はゼロ

 入手した資料では、個別指導の結果の内訳なども分かる。個別指導の結果は、(1)概ね妥当、(2)経過観察、(3)再指導、(4)要監査−の4つに分けられる。

個別指導の結果は次のとおり

■既設医療機関の個別指導の結果は判明分
【医科】
(1)概ね妥当  0
(2)経過観察 10
(3)再指導   9
(4)要監査   0
  指導継続中 4
【歯科】
(1)概ね妥当  0
(2)経過観察 27
(3)再指導   8
(4)要監査   0
  指導継続中 5

■新規医療機関の個別指導の結果は判明分
【医科】
(1)概ね妥当 35
(2)経過観察 80
(3)再指導   1
(4)要監査   0
【歯科】
(1)概ね妥当 16
(2)経過観察 34
(3)再指導   3
(4)要監査   0
  指導継続中 2

 既設医療機関の個別指導で、指導結果が「概ね妥当」となるケースは極めて少ないことが分かる。

指導の通知が来たら協会へ相談を

 個別指導の通知は3週間前に該当する医療機関に送付される。通知が届いたら、まずは協会に相談していただくことをお薦めする。特に既設医療機関の指導においては、弁護士の帯同と録音を薦めている。
 
 また、協会ではこの春、『保険医のための審査、指導、監査対策〜日常の留意点』という冊子の改訂版を発行し、医科正会員にお送りしている。指導の仕組みや個別指導の具体的な内容について紹介した冊子なので活用されると良い。

(おわり)  

▲ このページの先頭にもどる