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【11.06.05】STOP! 浜岡原子力発電所―医師・歯科医師署名にご協力を

原発なしで電力は足りるのか

今回、協会が取り組んでいる「浜岡原発即時停止」署名では、要請事項として「省エネと再生可能エネルギーを増やし、原発の縮小、廃止への政策転換」を求めています。ぜひ署名のご協力をお願います。前号に続き、今回は原発がなくても電力は維持できるのかとの疑問について解説を掲載します。(文責・編集部)

浜岡原発を停止しても電力供給には問題なし

福島第一原子力発電所の事故を受け、5月6日、菅首相は、東海地震の想定震源域の真上に位置する浜岡原発の運転停止を要請。中部電力は同14日までに浜岡原発の全5基を停止した。中電管内の原子力発電所は浜岡原発の5基のみであり、同管内の原発からの電力供給はなくなった。このため、電力需要が増える夏に向け電力不足を心配する声もある。
電力需要について、中部電力は、今夏のピーク量を2,637万kWと見込んでいる。このピーク量は、休止火力発電所の再稼動などで確保される。中部電力が、課題としているのはピーク量に対する上積み(供給余力)であり、現在の5%程度では安定供給が困難としている点である。
そもそも、中部電力の原発依存度は12.3%(2009年)と他の電力各社と比べてかなり低い。これまでも、浜岡原発は、定期点検と事故のため、2002年9月から翌年8月初めまで約10カ月間にわたり全停止した実績がある。この際も休止火力発電所の再開などで支障なく電力供給がされた。
今回の浜岡原発停止は、2、3年かかる津波対策さえ行えば、再稼動が前提となっているが、再稼動をしなくても中部電力管内の電力供給は十分可能である。

現在でも水力・火力の発電能力で足りている

日本全体をみると、全電力の3割が原子力発電によるものといわれる。これは、火力・水力発電所を休止させ、原子力発電所の設備利用率(資料1)をあげているため。供給量で見れば事実だが、発電設備能力で言えば、原子力発電は18%にすぎない。日本の原発54基のうち、5月中旬に稼動しているのは17基のみで総出力の32%。電力の原発依存度も10%台となっていると予測されるが、現在、停電などは起こっていない。
課題は夏の昼間の電力ピーク時に対する対応だが、これまで電力のピーク量が火力・水力発電量合計を上回ったことはほとんどない(資料2)。また、電力不足が生じても、計画停電ではなく「受給調整契約」の活用などの方法もある。これは、電気事業法に規定されている制度で大口需要家を対象に、平常時の電気料金を割り引く代償に、緊急時に使用量を抑制できる契約。東京・東北両電力管内では、今夏、医療関係などを除き実施の予定だ。
電気は貯められないため、常にピーク時を賄う設備が要るとの理由で、原発は必要とされてきた。しかし、限られた一時期の需要のために危険な原発が必要か出発点からの検討が求められる。

再生可能エネルギーを増やし、原発の縮小・廃止へ

福島第一原発事故を受け、現在は他の発電施設の活用や電力融通で緊急対応がなされている。しかし、火力発電は二酸化炭素排出による温暖化への寄与も大きいため、今後は再生可能エネルギーの活用が期待される。
再生可能エネルギーは、太陽光や水力、地熱、風力などによるエネルギーで、現在、日本では水力発電を含めても電力の10%にすぎない。このエネルギーの潜在能力について、国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は5月9日、「再生エネルギーで2050年の世界のエネルギー消費量の最大77%をまかなえる可能性がある」との特別報告を出した。
世界的に見れば、2010年に再生可能エネルギーの発電設備設置容量の合計が原発の発電容量を上回った(米ワールド・ウォッチ研究所報告書)との報告にみられるように、再生可能エネルギーは原発に変わるエネルギー源となっている。
ドイツでは、2000年に再生可能エネルギーが電力の6%だったが、2010年には17%、2020年には30%を目指している。これは、2000年に政府が電力会社に再生可能エネルギーの買い取りを義務付け普及推進を行ったことが大きい。
日本のエネルギー開発予算を見ると、再生可能エネルギー関係は少なく原子力関連が7割を占めている。菅首相は再生可能エネルギーを2020年代のできるだけ早い時期に20%へと拡大する目標をうちだした。しかし一方で原発も安全対策を行い継続する意向も表明している。国には、原発の新増設計画をやめ、再生可能エネルギーの普及を図ることで危険な原発を縮小・廃止していくことが求められる。

資料1  

資料2  

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