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【11.05.25】STOP! 浜岡原子力発電所―医師・歯科医師署名にご協力を

浜岡原発は「世界一危険」

 保険医協会では現在「巨大地震の震源域の真上にある浜岡原発を即時停止してください」の医師・歯科医師署名と患者署名に取り組んでいる。取り組み最中の五月六日、菅首相が中部電力浜岡原子力発電所のすべての原子炉の運転停止を中部電力に要請したと発表。その後中部電力は要請受け入れを決定し、十四日五基すべてがストップした点は貴重な成果である。
 署名は引き続き取り組んでいるが、「原発は停まったがまだ署名は有効か?」「要請項目は変えなくて良いのか」「原発をやめて電力は大丈夫か」などの問い合わせや疑問の声が会員から寄せられており、これらの疑問に応える解説を連載する。(文責編集部)

 中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)は今後三十年以内に地震が起こる確率が八七%と言われている東海地震の想定震源域の真上に立地し、マグニチュード八以上の巨大地震が想定されている。いつ起こるか分からない巨大地震の事を考えると、今回の即時停止は評価したい。
 しかし、中部電力と国との確認事項では中長期の地震・津波対策が完了した後、再開が前提となっている。本当に二〜三年の停止でよいのか。

津波対策―基準ないまま
 原子炉の地震対策は二〇〇六年に改定された「耐震設計審査指針」に基づいているが、同指針では「施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受けるおそれがないこと」とあるだけで、具体的な基準や考え方が示されていない。津波には押し波・引き波があり、押し波による設備の浸水・取水ポンプの水没、引き波により海水面が取水口より下がったり、土砂などで取水口が塞がれるなど海水の取り込みができなくなったりして冷却機能が破綻する危険が指摘されている。
 しかし津波対策には基準もないままであり、最新の知見に基づいた対策の検討が、まだこれから必要だ。

地震の揺れ―国の基準問われる
 〇六年に改定された「指針」に基づき各原発は想定する地震の揺れ(基準地震動)を旧基準比の一・二〜一・六倍に引き上げた。ところが〇七年七月の新潟県中越沖地震はその想定を大きく上回る激震。再度想定値を旧基準比五・一倍に引き上げざるをえなくなった。
 しかし今回もまた、東北電力女川原発では基準地震動を超える揺れが観測。より震源地に近い福島原発での基準地震動は未だ発表もされていない。
 基準の抜本的な見直しが必要である。

「震源域の真上」に立地することの意味
 今回の原発の事故により、安全基準、震災対策、審査体制など様々な見直し行われることは必至だ。しかしそれが行われれば浜岡原発も稼働して大丈夫なのだろうか。
 地震予知連絡会元会長の茂木清夫氏は「浜岡原発は立地そのものがおかしい」と断言している。衆議院経済産業委員会での吉井英勝議員の「世界で震源域の真上にある原発は」との質問に「世界では事例承知していない」と原子力安全・保安院長も回答している。原発大国のアメリカでも地盤が安定し地震がほとんど起こらない東部・中部中心に立地。フランスでもドイツでもほとんど地震が起こらない。そういった国でさえ断層のないところを注意深く選んでいる。
 茂木氏は「岩石などの破壊も専門に研究してきた。破壊の起こり方は非常に複雑で、予測がつかないことが多い」とも。原子炉には多くの配管が張り巡らされ、とても複雑な複合体であり、それが揺らされれば、複雑な揺れ方をする。震源域の真上ともなると、現在の研究においても未解明なことが多く、測定器も破壊されどのような揺れがどのように起きたかも記録されない。他にも三十年前の静岡県の調査では地盤の液状化が指摘されている。
 もともと現在の軽水炉という原子炉は技術的に未完成で、運転を停止しても数十年絶えず冷やし続けなければ環境に放射能を大量にまき散らす危険をかかえ、放射性廃棄物を安全に管理する見通しが立っていない。今回の福島第一原発で起きている事故は、それをはっきり示している。
 震源域の真上であるということは「絶対安全とは絶対言えない」(茂木氏)ということだ。いくら建物を頑丈にしても電源確保・冷却機能確保の保証はない。対策を施しても稼働してはいけない。

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