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【10.05.15】身近な法律知識(NO.26)最終回

海外旅行でバッグが未着 賠償請求は可能?

Q.旅行業者の主催する海外へのツアーに参加したのですが、預けた旅行バッグが目的地に到達しませんでした。移動の多い旅行のため大変な不便を受け、楽しいはずの旅行が台無しになってしまいました。旅行業者に旅行代金の減額あるいは損害の賠償を請求できますか。

A.まず、あなたと旅行業者との間の旅行に関する契約に、携行品の未着、延着、盗難、滅失などについての定めがあるかどうかを調べてみる必要があります。どういう場合に損害を補償するかが決められていれば、その条件にあえば請求できると考えます。
そのような定めがない場合には、どうなるでしょうか。
まず、あなたが旅客業者に手荷物を引き渡した場合は、それが目的地に到達した時には戻してもらうとの約束があるとみてよいでしょう。手荷物や携行品が滅失したり、壊されたり、延着した場合には、これによって生じた損害の賠償を求めることができます。業者は自分や運送を取り扱った業者、その使用人が運送、保管、管理をするについて注意を怠らなかったことを証明しない限り、この賠償責任を拒むことはできません(商法591条1項、577条)。ただし、高価品(現金や有価証券、高級品)は、その種類や価額を予め業者に告げておかなければなりません(578条)。
旅行業者に手荷物を引き渡していない場合ですと、手荷物の破損や滅失が生じたとき、旅行業者に過失があると認められれば、損害の賠償を請求することができるでしょう(592条)。
引き渡しをしたかしないかで、業者の責任の重さが異なります。引き渡しとは、物の占有(物を所持している状態)を相手方へ移転することです。引き渡しをきちんとすることによって、あなたは賠償の請求をしやすくなることになります。
旅行をする前に、携行品の紛失等についての契約条件をチェックしておきましょう。業者の作る旅行業約款を事前に入手したり、問い合わせをして、備えておくとよいと思います。携行品損害についての保険への加入も予め検討しておくとよいでしょう。
(原山剛三協会顧問弁護士)


※本コーナーは今号で終了となります。

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