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【10.03.05】身近な法律知識 NO.24

バス旅行中に破損、おみやげの補償は?

Q.バスを利用してのツアー旅行中の出来事でした。荷物をのせる網棚に、旅先で買い求めた大切な土産物を置いておいたのですが、他のお客が間違えて取り出そうとした時、誤って落し、壊してしまいました。とても残念ですが、せめて償いを求めたいと思います。落してしまった乗客、そしてバス会社に責任はあるのでしょうか。

A.まず、誤って落下させた乗客の責任ですが、その人に過失があると認められるなら、お土産物の価格額の弁償を求めることができると考えます。過失とは注意義務を怠ったことを言います。注意義務は、一般の人がその状況に応じて通常心がけなければならない注意のことで、それを欠くと過失があるとされます。バスが走っているときは、車体が揺れ、座席から立ち上がった乗客も不安定な姿勢になりますから、このような状況で落下させた場合は、過失があると認められやすいでしょう。落した乗客の責に帰すことができないような特別の事情がある場合を除いて、過失があるとされると思います。荷物のおき方が悪く、落下しやすい状況にあったときには、所有者側の過失もあるとされて、いわゆる過失相殺となることもありえます。
 バス会社は乗客の生命、身体、財産の安全を保持する義務があります。安全にバスを運行させることは言うまでもありませんが、バスの設備は乗客に危害を加えるものであってはなりません。乱暴な運転によって、荷物の落下の危険を招いたとすれば、責任がないとは言えません。網棚の作りに欠陥があったり、または破損していたために落下し易くなっていれば、やはり責任があると考えます。
 乗客の不注意とバス会社の義務違反がともに認められる場合は、両者に賠償を求めることができます。
 なお、バス会社に責任がある場合にそなえて、会社が損害賠償責任保険をかけていることがありますので、問合せしてみるのもよいと思います。
(原山剛三協会顧問弁護士)

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