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【10.02.05】歯科診療報酬改定情報歯科固有技術の評価や義歯調整などが課題に――中医協総会

歯科診療報酬改定情報歯科固有技術の評価や義歯調整などが課題に――中医協総会

歯科診療報酬はプラス2.09%
既に本紙1月15日号で報道した通り、昨年12月23日、厚労相、財務相などの閣僚折衝により、診療報酬の改定率が確定した。改定全体では、プラス0.19%と10年ぶりの引き上げとなった。歯科診療報酬については、プラス2.09%で、歯科診療報酬の改定率が医科を32年ぶりに上回ることとなった。全国保険医団体連合会はこの改定率について声明を発表し、医療崩壊を食い止めるためには不十分であるとして全体で3%以上の引き上げを行うよう強く求めている。

厚生労働大臣が中医協に諮問
今年に入り、1月15日には、厚労相が中医協に対して診療報酬改定についての諮問を行った。同日には現時点での中医協の論議をまとめた「平成22年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」が中医協総会に提出された。その中で歯科に関連する部分は別掲のとおり。
「歯科医療の充実について」では、障害者歯科医療の充実のためにきめ細かな口腔衛生指導を評価するとしているほか、医学管理の情報提供についての見直し、歯科技工士の技能を活用している歯科医療機関の評価、歯科固有の技術に対する評価の見直し、義歯調整の評価などが課題としてあげられている。また、「在宅歯科医療の推進について」では、訪問診療の評価体系の見直し、在宅歯科医療における歯科疾患の管理等についての見直しなどがあげられている。その他、明細書の発行義務付け医療機関拡大の検討や、難解な歯科用語の見直しなども課題となっている。

パブリックコメントを提出―協会歯科部会
諮問と同日に、パブリックコメントの募集(1月22日締切)も行われた。協会では歯科部会として池部会長名でパブリックコメントを提出。初・再診料の大幅な引き上げを行うこと、情報提供について医学管理とは別に評価すること、長期に亘り据え置かれている処置・手術などの基礎的技術料の引き上げを行うことなどを要望した。なお、1月22日には福島県で中医協の公聴会が開催され、歯科からは福島県の歯科医師が発言した。発言では歯科の危機的状況を打開するために初・再診料の大幅な引き上げや技術料の実態に合わせた引き上げ、医科歯科連携の重視などの要望が出された。

再評価の優先度が高い技術―SPT・TEKなど
1月19日には医療技術評価分科会が開催された。この分科会は、学会等から提出される医療技術評価提案書にもとづき、診療報酬における新規医療技術の評価と既存医療技術の再評価を行う場として設置されている。歯科に関連するものは以下の通り。
(1)新規保険収載する優先度が高いと考えられる未収載技術
下顎関節突起骨折観血手術[片側・両側](日本口腔科学会、日本口腔外科学会)、レーザー応用による歯石除去(日本レーザー歯学会)、舌接触補助床(日本老年歯科医学会)
(2)適応疾患の保険適用拡大する等の優先度が高いと考えられる技術
厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常に係る適応症の拡大(日本矯正歯科学会)
(3)再評価する優先度が高いと考えられる既収載技術
歯周組織再生誘導手術(日本歯周病学会)、歯周病安定期治療(日本歯周病学会)、テンポラリークラウン(日本補綴歯科学会)、リテイナー(日本補綴歯科学会)
――上記(1)〜(3)の技術については、今次改定で新規導入や点数が改定されることになる。この他にも、新規技術として咀嚼機能検査(日本補綴歯科学会)など3技術、既収載技術として咬合調整(日本歯周病学会)やレジン前装鋳造冠[小臼歯部](日本補綴歯科学会)など八技術が歯科関係学会から出されたが、「評価・再評価の優先度の高い技術」とはならず、見送られた。
保険医協会では、診療報酬改定についての新しい情報が入り次第、随時新聞等でお知らせしていくほか、「2010年改定の要点と解説」などのテキストを発行し、新点数説明会を開催するなど、より分かりやすい情報提供に努めていくこととしている。


「平成22年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」(歯科関連の部分を抜粋)
I―6歯科医療の充実について
(1)障害者歯科医療の充実を図る観点から、障害者のう蝕や歯周疾患等が一般の患者に比べて重症化しやすいことを踏まえ、よりきめ細かな口腔衛生指導等の評価を行うとともに、歯科治療が困難な障害者を受け入れている病院歯科等の機能について、必要な評価を行う。
(2)歯科疾患や義歯の管理に係る情報提供については、患者の視点に立って、より分かりやすく、かつ的確に行われるよう、必要な見直しを行う。
(3)生活の質に配慮した歯科医療を充実する観点から、義歯修理等において、歯科技工士の技能を活用している歯科医療機関の取組の評価を検討する。また、先天性疾患を有する小児患者に対する義歯の適応症の拡大及び脳血管障害等の患者に対する歯科医学的アプローチによる咀嚼機能等の改善の評価を行う。
(4)歯科医療技術については、医療技術評価分科会や先進医療専門家会議における検討を踏まえつつ、併せて、以下のとおり、適切な評価を行う。
1 歯科疾患やう蝕等に対する歯科固有の技術について、重要度、難易度、必要時間等に係る新たな知見等も参考としつつ、適切な評価を行う。
2 有床義歯の治療について、義歯管理体系の更なる定着を図る観点から、診療実態も踏まえて、義歯調整等の評価を行う。
3 診療報酬体系の簡素化等を図る観点から、歯科医療技術の特性や普及・定着度等を踏まえ、評価の在り方等必要な見直しを行う。
4 医科歯科共通の医療技術のうち、医科診療報酬の検討と並行して検討するべき歯科医療技術について、評価の在り方等必要な見直しを行う。
II―1医療の透明化に対する評価について
1明細書の発行が義務付けられる医療機関の対象を拡大する。また、保険薬局についても同様に義務付けを行う。なお、その要件や内容については検討する。
II―2診療報酬を患者等に分かりやすいものとすることに対する評価について
(2)患者からみて難解と思われる歯科用語の見直しや、臨床内容と算定項目の名称が必ずしも一致していないと思われる項目について、算定項目として明示する等の見直しを行う。
III―5在宅歯科医療の推進について
1 現在の歯科訪問診療の評価体系について、歯科訪問診療の実情も踏まえ、より分かりやすい体系とするために、必要な見直しを行う。
2 在宅歯科医療が必要な患者の心身の特性を踏まえたよりきめ細かな歯科疾患の管理等について、必要な評価を行う。
3 在宅における歯科治療が困難な患者を受け入れている病院歯科等の機能について、必要な評価を行う。
4 地域における在宅歯科医療に係る十分な情報提供の推進や、医科医療機関や介護関係者等との連携促進を図る観点から、必要な評価の見直しを行う。

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