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【09.12.05】身近な法律知識〜弁護士さんに聞いてみよう No.21

医院への無言電話、対処のしかたは?

Q. 「身近な法律知識」No.20(11月5日号)では、元従業員が悪口を言いふらしていることについての考え方や対処の方法が記載されています。無言電話その他の嫌がらせには、どのようにしたら良いのでしょうか。

A. 無言電話がひんぱんにかかってくるのは、本当に気分が悪いものです。無言電話と分かっていれば、電話に出ないにしても、かかってくることで日常の生活や仕事の平穏が害されます。
 とくにひっきりなしの電話や夜間、深夜のそれは、平穏で静かな生活を乱す行為です。行為の相手方が特定できれば、その相手方に対して行為の中止を求めることは法律的に可能です。まずは中止を求める警告文を発送し、それでも続くときは差止めの仮処分申立や訴訟を提起することを検討しましょう。
 無言電話の態様によっては、刑法で禁止される行為に該ることもあります。そば屋の営業を妨害する目的で3カ月の間に970回にわたり昼夜を問わず無言電話をかけて、出前注文を妨害し、社会生活上受容できる限度を超えて被害者を心身ともに疲労させたのは、偽計による業務妨害罪にあたるとした判例があります。ストーカー規制法では、「電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず連続して電話をかけ、もしくはファクシミリ送信する」行為を禁止していることが参考になります。この行為は「恋愛感情その他の好意の感情」または「それが満たされなかったことによる怨恨の感情」を充足する目的のもとにされている場合に禁止されるものです。その目的がない場合には、ストーカー規制法は適用されませんが、無言電話や連続電話から保護される利益を法が認めたことはとても重要と考えます。同法は法制定の目的を「国民生活の安全と平穏」としています。これは法的保護の対象となる利益なのです。
 ファクシミリを送信し続けて、ファクシミリの機能を事実上停止させたり、大量のペーパーを消費させたりすることも世間ではあるようです。業務妨害の目的をもって行われることが多いようです。業務妨害行為として民事及び刑事両面での対応を考慮してよいと思います。
 (原山剛三協会顧問弁護士)

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