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【09.09.05】身近な法律知識〜弁護士さんに聞いてみよう NO.18

税理士業務、行うことができるのは?

Q:私が理事をつとめている医療法人の税務申告をするにあたって、法人が委嘱している経営コンサルタントに申告書類の作成をお願いしました。後日申告書類の作成をしたことで報酬を支払ってほしいとの請求がきました。税理士など一定の資格ある専門家でなければ報酬を貰うことは出来ないのではありませんか。
 また、従業員の税務申告もお願いしましたが、これはどうなるのでしょうか。

A:税務官公署への申告等(申告や請求、不服申立を含みます)を代理または代行して行うことや申告等の書類を作成すること、それらの相談にのること、財務書類の作成・会計帳簿の記帳代行することは、税理士業務と呼ばれています。税理士業務は原則として税理士または税理士法人の業務とされており、税理士と税理士法人以外の者は、税理士法に別段の定めがある場合の他は税理士業務を業として行うことはできません(同法52条)。
この規定に違反した場合は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金を課せられることがあります(同法59条1項3号)。
 業務を行うのに、その対価である報酬や手数料の支払が伴えば業として行っているとみなされるでしょう。
 税理士以外の者が税理士業務を行うことができるのは次のように限られています(同法51条、50条)。
(1)弁護士(法人)は所属弁護士会を通じて国税局長に通知することにより、その国税局の管轄する区域内において税理士業務を行うことができます。
(2)行政書士(法人)は、ゴルフ場利用税、自動車税、自動車取得税、事業所税など特定の租税について税理士業務を行うことができます。
(3)租税の申告時期または災害が発生したりなど特別の必要があるときに税理士以外の者で2カ月間以内で、無報酬で行う申告書の作成や相談をすることを国税局長から許可された者は、これらの業務をすることができます。許可を受けることのできる者は地方公共団体、公益社団(財団)法人の役員や職員に限られます。
 ご質問の経営コンサルタントが税理士またはその被用者であって、当該の税理士(法人)としてその税理士業務を行うのであれば、特に問題はなく、報酬の請求はできると考えます。しかし、そのコンサルタントが税理士(法人)でなく従業員でもないのであれば、業としては行うことができません。従って、報酬の支払請求は本来できないのですから、支払をする義務はない、と言えるでしょう。
 コンサルタントにどの様なことをして貰うのか、またその報酬はどうするのかは、契約当事者の間でよく予め話し合って決めておく必要があると思います。コンサルタントが税務の専門家ではないのであれば、 税務に関するコンサルティングは除外し、その道の専門家に委ねるのが本来のあり方と思います。
 次に、従業員の申告書作成まで法人で依頼したのでしょうか。依頼するのは個々の従業員であるべきと思いますが…。
 雇主として従業員の利便を考えるのは悪いことではありませんが、助言やアドバイスに止めておくのがよいと考えます。いずれにせよ税理士業務を行うことができない人に、税理に関することを依頼するのは控えた方がよいと思います。
(原山剛三協会顧問弁護士)

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