協会の主張・決議・要望

【17.11.05】診療報酬削減

高齢者も負担増でなにが社会保障充実か

10月の総選挙の結果、自公与党が改選前の議席占有率を維持することとなった。
選挙で問われるべき争点は、森友・加計学園問題での政財官癒着問題をはじめ、安保法制や「共謀罪」法などの強行のような民主主義・立憲主義・平和主義を踏みにじる政治や、アベノミクスが生み出した「貧困と格差の拡大」、そして九条改憲など、安倍政権の暴走政治そのものであったはずだ。しかし、これらの問題は何ら解決・是正されていないのであり、年内は臨時国会を開かず、所信表明も質疑も行わないで過ごそうという政府与党の姿勢は強く批判されるべきである。
選挙で首相が訴えた消費税の使途変更の際に、社会保障の充実が謳われたが、選挙直後の財務省・財政制度等審議会、経済財政諮問会議で、相次いで診療報酬マイナス改定や高齢者の負担増の大合唱が繰り広げられた。
来年度予算編成で、社会保障予算の自然増は削減すべきとされ、厚労省の概算要求と比べて1,800億円を削減することが迫られている。その主な調達先として狙われているのが診療報酬だ。財政制度等審議会で財務省は、薬価なども含めた全体で「2%台半ば以上」の削減を求めた。7対1入院基本料や療養病床標準報酬の適正化、診療科ごとの不均衡是正などが柱となっている。審議会の委員からは「外来医療の出来高払いは大きな問題」「診療所への報酬が手厚い」など、言いたい放題の感がある。
高齢者については、75歳以上の窓口負担を2019年度から段階的に全て2割に引き上げることが明記された。介護保険の要介護1や2の人への保険給付を外すことや児童手当の支給対象を大幅縮小など、まさに全世代を標的にした負担増で、これが「全世代型社会保障」なのかという、噴飯ものの社会保障大改悪である。
日医も「政府が賃金アップを要求している中、医療に携わる人間だけ賃金を下げなさいという無謀な判断だ」と反発しているが、診療報酬引き上げは、初・再診料をはじめ、医療機関が患者さんに提供する医療水準を担保し、医療従事者の技術を正当に評価するためにも、診療所や病院それぞれの医療施設の基盤強化のためにも、大幅引き上げが必要であり、保険医協会は、医師・歯科医師要請署名に託された会員の声の実現に力を尽くす。

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