協会の主張・決議・要望

【17.07.25】安倍首相の改憲

国民無視の姿勢を改めるべき

 7月11日の朝は、寝苦しい熱帯夜で明けた。この日、「内心の自由」を脅かし、警察の恣意的判断で「一般の人」も監視・処罰される恐れの強い「共謀罪」が施行された。「共謀罪」は、モノ言えぬ国民総監視社会をつくる現代版の治安維持法であり、憲法が保障する「思想・信条の自由」「表現の自由」「通信の秘密保護」「信教の自由」を侵害する違憲性は明らかである。
 安倍政権のもとで、「特定秘密保護法」では国民の知る権利が制限され、「安全保障関連法制」で海外での武力行使に道が開かれ、立憲主義が踏みにじられてきた。今回の「共謀罪」を含む組織犯罪処罰法で国民の基本的な権利は再び「数の力」で踏みにじられた。安倍首相の本願は、その先の憲法改正にあることを直視しなければなるまい。
 安倍首相は5月3日、「九条の一項、二項をそのまま残し、その上で自衛隊の記述を書き加え」「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。さらに6月には、今秋の臨時国会・衆参憲法審査会に自民党案を提出すると明言した。自民党幹部も「早ければ(2018年)6月頃の発議を目指したい」と、改憲の発議時期も明言している。改憲をめぐる首相や自民党の前のめり姿勢が際立っている。
 こうした動きに対し、民進・共産・社民・自由の野党四党は、6月の党首会談で「安倍政権の下での憲法九条の改悪に反対する」ことを合意した。
 世論も、7月7〜9日にマスコミ各社が行った世論調査で、秋の臨時国会に自民党改憲案を提出することに「反対」が48%(「読売」、賛成は37%)、日本テレビ系NNNでも「反対」46%(賛成31%)、自衛隊を憲法九条に明記することには「反対」45%(賛成31%)などと、国民の批判の目は明確となっている。
 東京都議選で自民党は「歴史的惨敗」(読売新聞)という結果を招いたが、当の安倍首相自身は、改憲案を秋の臨時国会に提出する方針は変わらないと述べている。選挙で有権者が示したのは、加計・森友学園問題や、相次いだ閣僚らの問題発言をめぐって、首相が責任を問わず、任命責任にも言及しない身内に甘い政治姿勢や、共謀罪など説明や合意形成を行わないことなどに対する強い批判である。
 夏の熱帯夜は、やがて解消するが、政治の息苦しさに対しては、主権者・国民としてNOの意思表示をすることが重要となっている。

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