協会の主張・決議・要望

【17.05.15】マイナンバー

共謀罪とともに国民監視を狙う

 市町村から今月に医療機関に送付される住民税の「特別徴収税額の決定・変更通知書」に、従業員のマイナンバーが記されることになった(記載しない名古屋市など一部の市町を除く)。従業員の給料から住民税を天引きして市町村に納める手続きにマイナンバーは必要ない。それにも関わらずマイナンバーを記載するのは、マイナンバーの利用を広げることによって、制度の定着をはかるためだと言わざるを得ない。
 マイナンバー制度は「複数の機関に存在する個人の情報を同一人の情報であるということの確認を行うための基盤」とされている。税務署など国の行政機関や地方自治体、日本年金機構、健保組合、金融機関などが持っている様々な個人情報にマイナンバーを紐づけすることによって、特定の人物に関する個人情報を名寄せするものだ。
 マイナンバーの利用は、社会保障・税・災害対策分野に限られていたが、運用開始と同時に利用範囲を預金口座や特定健診、予防接種履歴等に広げた。さらに政府は、医療分野での利活用として、マイナンバーカードを健康保険証と一体化すること等による医療保険のオンライン資格確認や、金融資産等の保有状況を考慮して医療保険・介護保険の負担を求める仕組みを検討している。また、金融資産・固定資産情報と所得情報を突合して「適切に課税する」ことや、税・社会保険料の「徴収の適正化」を進めるとしている。
 総務省・内閣官房の「マイナンバーカード利活用推進ロードマップ」には、職員・社員証、酒・たばこ販売等での本人確認、印鑑登録証・図書館カードなどの行政サービス、診察券・クレジットカードなど民間サービス、東京オリンピック会場への入場管理、カジノへの入場規制等での利用が記されている。
 利用範囲を拡大していけば、政府は特定の人物の様々な個人情報を集約し、利用することができる。「国民の利便性の向上」どころか、国民を監視するためのシステムになりかねない。現在国会審議中で「治安維持法の現代版」と言われている共謀罪法案と根っこは同じだ。小泉政権時代に社会保障費削減のために検討された社会保障番号が、マイナンバー制度の出発点の一つとなったことも忘れてはならない。
 マイナンバー制度の運用を厳しく監視し、これ以上の利用拡大を許してはならない。

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