協会の主張・決議・要望

【17.04.15】共謀罪法案

現代版「治安維持法」を許すな

安倍内閣は3月21日に「組織犯罪処罰法改正案」(共謀罪法案)を閣議決定して衆院に提出した。過去3回国会で廃案となった共謀罪法案は、東京オリンピックへ向けてのテロ対策とのふれ込みで、「国際組織犯罪防止条約」(TOC条約)の締結のために不可欠だとされているが、このTOC条約はマフィア等の経済犯罪の防止のためでありテロ対策とは関係ない。
今回の法案では、「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団の団体の活動として…遂行を2人以上で計画した者は…資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは…刑に処する」とされている。準備行為には日常生活の幅広い行為が含まれるとともに、計画か準備か曖昧な段階での処罰であるが、現刑法は犯罪行為の既遂の時に処罰する行為責任主義が基本原則である。これを根本からひっくり返すものである。国民の思想や内心の自由を侵してはならないと定めた憲法19条にも反する。
又、組織的犯罪集団か否かを判断するのは捜査機関であり、国会質疑で政府は一般の団体でも組織的犯罪集団に一変することを認めており、対象犯罪を277に絞ったといっても全く限定になっていない。テロ防止に関しては、航空機不法奪取防止条約をはじめ既に13のテロ防止条約を締結している。
「一般の方々が処罰の対象になることはありません」との国会答弁は戦前の治安維持法でも同様の答弁のもとに1925年に施行された。1928年に最高刑が死刑に改悪され、徹底的に思想弾圧が行われ、逮捕者は数十万人、送検は7,500人、命を落とした人は500人以上…これが教訓である。なお、改悪に唯一人反対した労農党の山本宣治代議士は暗殺される事態となった。
現代版「治安維持法」を決して許さず、廃案に追い込まねばならない。警察が人の内心に踏み込む超監視社会、日常の活動をも萎縮させる国にさせてはならない。盗聴、通信傍受、おとり捜査の拡大強化が必然となるのである。そして、安保法と秘密保護法にこの共謀罪法が成立すると一気に戦争準備への危険が迫ると考えるべきである。マスコミでも地方紙の大半が懸念を表明している現在、私たちも今回の共謀罪法案の危険な内容を広く知らせていくことを訴えるものである。

▲ このページの先頭にもどる