協会の主張・決議・要望

【16.07.05】骨太方針2016

医療費抑制、負担増で「社会保障充実」とは

安倍首相は6月1日、消費税の10%への引き上げを2年半延期すると表明した。翌2日には「経済財政運営と改革の基本方針2016〜600兆円経済への道筋〜(骨太方針2016)」「日本再興戦略2016」「ニッポン一億総活躍プラン」「規制改革実施計画」をそれぞれ閣議決定した。この中で、首相は社会保障の充実に関して「給付と負担のバランスを考えれば10%に引き上げた場合と同じことを全てできない」と表明した。
しかし、消費税増税で社会保障の「充実」を謳うこと自体、誤りである。そのことは、予算編成や「骨太方針2016」で社会保障の自然増を引き続き年3,000億〜5,000億円削減することを継続していることでも明らかである。
さらに、「骨太方針2016」は、来年度予算編成の方針を兼ねており、社会保障分野について、「『経済・財政再生計画』に掲げられた改革項目(44項目)について改革工程表に沿って改革を着実に実行する。医療費適正化計画に係る取組を含め、医療・介護分野等における徹底的な『見える化』に取り組む。また、医療費等の増加要因について、データやデータ分析に基づいて、精査・検証する」として、医療費抑制につながる医療費適正化計画や医薬品の費用対効果評価導入、審査支払機関の在り方の見直しを含むデータヘルスの強化等を盛り込んだ。
一連の閣議決定は、受診時定額負担導入や高齢者の高額療養費特例廃止、75歳以上の患者負担割合の2割への引き上げ、入院居住費の自己負担拡大などの、新たな患者負担増計画などを推し進める内容にもなっており、参院選挙後の通常国会で法案提出が狙われている。
消費税に財源を求める「社会保障・税の一体改革(現在は経済・財政一体改革)」の考え方を根本的に改めることが必要である。
また、「規制改革実施計画」で、「現在の社会保険診療報酬支払基金を前提とした組織・体制の見直しではなく、診療報酬の審査の在り方をゼロベースで見直す」「社会保険及び国民健康保険のレセプト情報の共有化及び点検条件の統一化を図る」と明記され、「平成28年内に結論を得次第、速やかに措置」とされていることも重大である。医師による専門的見地からの審査を機械化し効率化・市場化を導入する方向性が明らかで、公的医療保険制度を守る観点からの議論が必要だ。

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