協会の主張・決議・要望

【15.07.05】原発ゼロへ

いのちを軽視した再稼働は許されない

 2年近く止まっていた原発が、いよいよ動き出す気配だ。昨年9月川内、続いて高浜、伊方の各原発が相継いで原子力規制委員会から新規制基準合格のお墨付きをもらった。最初に合格した、川内原発1、2号機は、再稼働に必要な一連の法的手続きは終了し、いつでも稼働できる状態になった。九州電力は、8月中旬以降に、1号機の再稼働を行う予定としている。
 もともと、規制委員会の審査に合格しても、安全を保証するものではないことは、田中俊一委員長の「適合性を審査したのであって、安全とは私は申し上げていません」との言葉で明らかである。現に審査に合格した高浜原発は、司法が規制委員会の審査は甘すぎると、再稼働を差し止めている。
 規制委員会の審査内容にも多くの問題が指摘されている。第一に、川内原発では周辺の火山噴火の影響が充分反映されていない。規制委員会は、巨大噴火は数十年は起きないだろうと希望的観測で認可したが、これこそ「想定外」の東日本大震災の教訓を全く無視している。第二に、国際的には常識となっている避難計画が審査の対象外となっており、実際の避難については、自治体に丸投げしている事である。鹿児島県保険医協会が、医療・介護施設にアンケートを行った結果、鹿児島市を除く川内原発周辺8自治体で回答のあった107施設中、避難計画作成は7施設のみであった。住民のいのちを軽視した再稼働は許されない。
 政府は、原子力を「重要なベースロード電源」と位置付け、2030年の電源構成で、原発比率を20%〜22%とする「長期エネルギー需給見通し」(案)を6月に示した。これは、全国の原発の再稼働はもちろん、老朽原発の運転延長や原発の新増設を行うことを前提にしている。原発はいったん事故が起これば、取り返しのつかない被害を及ぼす。エネルギーの確保は、国民の安全が大前提である。事故の収束や被害賠償、復興にどれほどの時間と費用がかかるかわからない原発を「コスト」が安いと強調し、原発に依存することは国民のいのちと安全をないがしろにするものである。
 我々は、いのちと健康を守る医師・歯科医師として、原発は再稼働させず廃炉とし、再生可能エネルギー中心のエネルギー政策へ転換するよう、強く求める。

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