協会の主張・決議・要望

【15.06.25】マイナンバー

一旦中止し、慎重に審議し直すべき

 マイナンバー(国民共通番号)は社会保障・税番号として、全国民に12桁の番号付けして「税、社会保障、災害対策の3分野に限って個人情報の管理に活用する」として、2013年に成立したものだ。10月には番号が記された「通知カード」が届き、2016年1月以降、希望者は個人番号カード(顔写真、ICチップ付き)を受け取ることができる。
 ところが今回、日本年金機構がサイバー攻撃を受けて年金情報125万件が流出したと、6月1日に発表された。あらためて、公的機関の個人情報管理の脆弱性への警告となった。
 マイナンバー制度で行政手続きが効率的になるとメリットを強調しているが、もともと、社会保障と税の一体改革の道具として出されてきたもので、メリットがあるのは国や行政の方である。社会保障と保険料・税の利用・納付状況を一体的に把握して、税金の徴収強化と社会保障の抑制・削減に活用しようとするものである。
 更に、実施後3年での見直し条項にもかかわらず、既に「改正法案」が審議されているのである。この法案では管理する情報を予防接種情報、健康診断結果、預貯金口座への登録まで拡大し、民間機関が扱う情報まで含めようとしている。
 そのうえ、今後の検討課題として、カルテ・レセプトなどの医療情報、戸籍や旅券、クレジットカードなど次々と拡大する方針である。
 公的機関である日本年金機構ですら不備のあった情報管理を、マイナンバーを取り扱う準備もできていないあまたの民間事業者に行わせることは非現実的であり、情報漏洩が起きた場合の影響は計り知れない。
 情報は標的にされたら必ず漏洩することはこの間のたび重なる漏洩事件で示されているが、情報を拡大すればそれだけリスクが増大する。白鴎大学の石村耕治教授は「小規模企業だけで366万社あり漏洩の危険は大である。パスワードを定期的に変える時代に同じ番号を生涯にわたって使う制度は無謀だ」と述べている。日医も「患者の病歴という極めてプライバシー性の高い情報を第三者が管理してはいけない」としている。
 すでに、米国・韓国では多くのなりすまし事件や漏洩が問題化しており、今回のマイナンバー制度は一旦中止して、再度慎重に審議し直すべきである。

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