協会の主張・決議・要望

【15.04.15】地域医療構想

入院医療の削減は医療機能損なう

 3月18日地域医療構想策定ガイドラインが了承された。愛知県も2015年度末を目途に計画を策定する予定である。
 地域医療構想は、構想圏域(原則二次医療圏)ごとに一般病床と療養病床を「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つに区分し、2025年の必要病床数を推計し誘導することを目的としている。
 病床の機能分類は、昨年10月から始まった病床機能報告制度による各医療機関の情報だけではなく、電子レセプトのデータやDPCデータによる医療資源投入量(1日当たり点数から入院基本料相当を除いた値)を用いて行われることになっており、高度急性期は3,000点以上、急性期は600点以上、回復期は225点以上とされている。
 必要病床数の推計には2013年度の年齢階級別の入院受療率と2025年の年齢階級別推計人口を用いる。なお、「慢性期」については在宅で対応できる数、さらに都道府県格差を縮小するための目標を定めて病床を削減することとなっている。
 また、都道府県知事の権限が強化され、地域医療構想調整会議による協議が不調な場合は、医療機関に対する命令・勧告を行うことができることになった。
 地域医療構想調整会議には保険者代表も参加するが、国民健康保険を都道府県へ移管する法案も今国会に提出されており、都道府県は医療提供体制の管理と保険財源管理の双方から医療を管理することになる。保険料を上げるか医療給付を減らすかの二者択一を迫るのは介護保険と同じ手法といえる。
 現在、地域の医療体制は深刻である。医師確保が困難なため病院の機能を制限している病院は愛知県内でも少なくない。また、度重なる診療報酬改定で平均在院日数の短縮、重症患者割合や医療必要度、在宅復帰率等の施設基準の強化で多くの制約を受けている。現状の入院受療率を基準に将来の医療需要を推計し入院医療の再編・削減を強行すれば、救急医療、災害医療の後退をはじめ、無床診療所との連携を含めた地域の医療機能を損なう。
 地域医療構想は自助を基本とする社会保障改革の具体化の一部であり、「適正化・効率化」を名目に地方に責任を転嫁し、社会保障給付の削減を進めるものである。
 当会は愛知県の地域医療構想が地域の医療需要を適正に満たすこと、社会保障に対する国の責任を果たすよう求めるものである。

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