協会の主張・決議・要望

【14.07.05】通常国会終了

誰のための「成長」「骨太」か

 6月22日に終了した通常国会の法案成立率は、「ねじれ解消」後の与党安定多数を反映して97.5%だった。しかし、中身が問題だ。
 医療・介護総合法案では、社会保障は「自助、共助」を基本理念に19本もの法案を一括提出するという立法府の責任を軽視する問題が明らかになった。
 6月24日閣議決定された「骨太方針2014」でも、「自助・自立」をうたい「『自然増』も含め聖域なく見直し、徹底的に効率化・適正化していく」と明記した。さらに、県単位の「医療支出目標」設定も記されている。これらは、小泉内閣時代の自然増抑制の医療構造改革路線の復活を印象づけるものである。
 同日やはり閣議決定された「新成長戦略(日本再興戦略改訂)」や「規制改革実施計画」では、混合診療の全面解禁につながる「患者申出療養」制度が提言された。
 混合診療拡大に関して新成長戦略は「医療産業の競争力強化」のためと明記し、経団連の榊原新会長は「(法人実効税率引き下げの)代替財源として社会保障などの歳出を見直す」と述べている。
 いったい、誰にとっての「成長」「骨太」なのか。国民には負担増・給付抑制で、医療・社会保障分野で利潤を獲得しようとする財界を利するものと言わざるを得ない。
 今後、来年の法提出を予定して「外来受診時定額負担導入」「70歳以上の高額療養費制度の外来特例廃止」「入院時食事療養費の自己負担化」「大病院外来定額自己負担の導入」などの制度改悪の検討がすでに始まっている。患者負担軽減、公的医療保険を守る取り組みがますます重要となっている。
 このほか、政府解釈による集団的自衛権行使容認の動きが急展開している。与党が合意し、7月上旬にも閣議決定との報道がある。保険医協会定期総会記念講演で丹羽宇一郎前中国大使は、「自衛権は、個別であろうと集団的であろうと戦争が起きれば、国民の生活が大きく脅かされる。田中角栄氏が日中共同声明を結んで以来、歴代総理が日中関係発展の努力をしてきた。その努力を、安倍総理一代で壊すことは決して許されない」と痛烈に批判した。
 政府の社会保障制度改悪、消費税増税、原発再稼働などは、この間の世論調査でも多くの国民の意向に反するものばかりである。このような国民とのねじれ、矛盾は深刻であり、国民の意を汲む政治の実現を求めるものである。

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