協会の主張・決議・要望

【14.05.16】集団的自衛権行使容認の方針撤回を求める声明

集団的自衛権行使容認の方針撤回を求める

愛知県保険医協会では以下の内容の声明を首相、各政党、愛知県および東海ブロック選出地元国会議員に送付した。
2014年5月16日
愛知県保険医協会
理事長 荻野高敏


集団的自衛権行使容認の方針撤回を求める

当協会は、愛知県の医師・歯科医師8,930人で構成し、患者・国民の命と健康、国民皆保険制度を守るために活動している。
私たちは、[1]15日に提出された「安保法制懇」報告で「自衛のための必要最小限度の実力」を認めてきた歴代政府の憲法九条二項の解釈に「集団的自衛権行使」も含まれるとの考えを盛り込んだこと、[2]同日首相が示した「基本的方向性」で「従来の憲法解釈では十分対応できない状況」を、(1)武力攻撃に至らない侵害(グレーゾーン事態)への対処、(2)武力行使に当たらない国際協力など、(3)武力行使に当たる活動―の3分野に分けて例示し、集団的自衛権の行使を容認する方向を示したこと、[3]内閣法制局が「放置すれば日本が侵攻されることが明白な場合」に「限定」して集団的自衛権行使を容認しようとしていること――など一連の動きに抗議する。
集団的自衛権行使を容認すれば、日米安保条約で「日本国の施政の下にある地域」と限定している対象地域を、全世界に拡大することにつながる。しかし、これは九条の下で政府が解釈してきた「他国への武力行使を行う集団的自衛権行使は許されない」という従来の憲法解釈の根本的変更である。「侵攻が明白」かどうかの判断は政府が行うため、「限定」の保障はどこにもない。事実、自民党石破幹事長は「地球の裏まで行くことも完全に排除しない」と述べている。
「基本的方向性」の「武力行使に当たる活動」への対処では、近隣有事の際の米艦船防護や強制的な船舶検査、シーレーンでの国際的な機雷掃海活動への参加などを挙げるが、国会の承認も得ずに全世界への際限のない自衛隊派兵を行うことにつながる。「武力攻撃に至らない侵害」(「グレーゾーン」)への対処でも、日本に対する武力攻撃がなくても自衛隊が実力行使することにつながり、戦争が始まってしまう。
改憲派で著名な小林節慶応大名誉教授は、「憲法九条一項で自衛のための戦争は留保したが、二項で海外派兵が前提の交戦権を否認している。従って、海外で武力を使うことになる集団的自衛権行使は、今の憲法ではあり得ない」(「毎日」4/19付)と述べ、自民党・野田聖子総務会長も、雑誌『世界』6月号で「集団的自衛権が行使できる、武力行使ができるとなれば自衛隊は軍になる」「人を殺す、人が殺されるかもしれないというリアリズムを語るべき」などの批判が相次いでおり、世論も「反対」49%、「賛成」38%(「日経」4/20付)、「認めるべきでない」42%、「認めるべき」34%(「NHK」5/2)など、国民の多数は集団的自衛権行使容認に反対している。これらの声をこそ安倍首相は聞くべきである。
私たちは、集団的自衛権行使を容認する方針の撤回を求める。

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