協会の主張・決議・要望

【14.05.15】集団的自衛権

歯止めない海外派兵は許されない

戦争放棄をうたった憲法九条が今年のノーベル平和賞の候補になった。神奈川県の子育てママが「受賞者は9条を保持し続けた日本国民」と推薦した。
内閣法制局が「放置すれば日本が侵攻されることが明白な場合」に「限定」して集団的自衛権行使を容認しようとしていることが報道され、5月中旬にも提出される「安保法制懇」(首相の私的諮問機関)報告も「自衛のための必要最小限度の実力」を認めてきた歴代政府の9条2項の解釈に「集団的自衛権行使」も含まれるとの考えを盛り込むとされている。
集団的自衛権行使を容認すれば、日米安保条約で「日本国の施政の下にある地域」と自衛権の及ぶ対象地域を限定していたものを、全世界に拡大することにつながる。これは九条の下で政府が解釈してきた「他国への武力行使を行う集団的自衛権行使は許されない」という従来の憲法解釈の根本的変更である。「侵攻が明白」かどうかの判断は政府が行うため、「限定」の保障はどこにもない。事実、自民党石破幹事長は「地球の裏まで行くことも完全に排除しない」と述べる始末だ。
改憲派で著名な小林節慶応大名誉教授は、今回の動きに「九条一項で自衛のための戦争は留保したが、2項で海外派兵が前提の交戦権を否認している。したがって、海外で武力を使うことになる集団的自衛権行使は、今の憲法ではあり得ない」(「毎日」4月19日付)と手厳しく、孫崎享元駐イラン大使、元外務省国際情報局長も「今日、軍事的手段では安保環境の改善は見込めない。イラク戦争もアフガン戦争も失敗した。日本は紛争の政治的解決を図る外交努力で貢献すべき」(「同」4月18日付)と、9条を保持する日本ならではの国際貢献を提示している。
安倍政権は、この間、9条改定を打ち出したが、国民世論の前に行き詰まり、2度目の政権で憲法改正発議要件緩和の96条改定を画策したが、改憲論者や古賀誠自民党元幹事長、野中広務元官房長官らからも「邪道」との批判が噴出し頓挫した。改憲がだめなら解釈変更でというのが今回の動きだ。
しかし、国民世論は違う。集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈に「反対」64%、「賛成」30%(「毎日」3月31日付)、集団的自衛権について「行使できない立場を維持」63%、「行使できるようにする」29%(「朝日」4月7日付)など、過半数の国民は政府の集団的自衛権行使容認のうごきに反対している。

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