協会の主張・決議・要望

【14.02.05】原発はゼロに、エネルギー基本計画素案に意見公害環境対策部 

原発はゼロに、エネルギー基本計画素案に意見
公害環境対策部 

協会公害環境対策部は、1月6日(月)、土井敏彦公害環境対策部長名で下記の通り『新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた意見』を資源エネルギー庁あてに提出した。12月に政府が発表した新しい「エネルギー基本計画」素案に対し、意見募集が行われたためで全国から1万9千件の意見が寄せられた。
同基本計画は政府の中長期的なエネルギー戦略を決めるものだが、今回の改定では、民主党政権が掲げた「2030年代の原発ゼロ」目標すら転換、原子力を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけ、「必要な規模を確保する」と明記している。安倍政権は、この案を閣議決定し、原発再稼働を進めようとしている。
協会は、原発ゼロとエネルギー政策の転換を求めてきた。今回の新しい「エネルギー基本計画」素案に対しても、「原子力をベース電源として位置づけるのではなく、原発ゼロを基本とすべき」「再生可能エネルギーへの取り組みと普及に重点を」「核燃料サイクル政策から撤退」など六項目にわたって意見を提出した。
同計画素案については、与党内からも「原発回帰と受け止められかねない」など懸念の声が上がっており、原子力の位置づけの表現修正や1月の予定だった閣議決定先送りの動きが出ている。


新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた意見
1、温室効果ガスの排出量削減の具体的目標を記すべきである。
(理由)どのようなエネルギー源をどういう割合でどれだけ使用するのかは、供給の安定性、価格という要素だけではなく、地球温暖化防止へわが国が果たすべき責任=温室効果ガス削減目標も重要な要素とならなければならない。具体的な温室効果ガス削減目標を実現するためのエネルギー計画としなければいけない。

2、原子力をベース電源として位置づけるのではなく、原発ゼロを基本とすべきである。
(理由)東京電力福島第一原発事故は、原発が安全なものではなく、事故が起きれば有効な対応技術もないことを示した。「エネルギー基本計画」でも原発に「リスク」が存在することを認めている。原発のリスクは規模、時間、危険性など通常の事故のリスクとは比較にならない過酷なものである。そうしたリスクを冒してまで稼働する必要はない。

3、原子力の位置付けでの「運転コストが低廉で変動も少なく」「運転時には温室効果ガスの排出もない」の記載は改めるべきである。
(理由)この記載は「発電コストが安い」「原発は温室効果ガスを出さない」という誤った理解を招く表現である。種々の計算で明らかになった原発の発電コストは他の電源に比較して安くないこと、原発の建設、燃料製造、廃棄物処理まで含めれば膨大な温室効果ガスの排出があることを正しく伝えるべきである。

4、再生可能エネルギーへの取り組みと普及に重点を置くべき。
(理由)「エネルギー基本計画」は「多層化・多様化した柔軟なエネルギー需給構造」を提起しているが、再生可能エネルギーの普及に関しては「期待」するに留まっている。積極的に目標を掲げて再生可能エネルギーの普及を推進すべきである。

5、持続可能な社会実現の視点を持つべきである。
(理由)化石燃料を始め地球の資源を消費し、廃棄物を出すという現在の社会は必ず資源の枯渇か廃棄物処理で行き詰まる。持続可能な体系のなかでの循環を目指すべきである。水力、太陽光、風力に加えて小規模水力、バイオマスなど多様なエネルギー源の組み合わせを「地産地消」を軸に構築すべきである。

6、核燃料サイクル政策から撤退すべきである。
(理由)もんじゅや六ヶ所再処理工場は相次いでトラブルを起こし、金のムダ使いの典型である。核燃料サイクルにかける労力、税金は再生エネルギー普及にそそぐべきである。
(提出先 資源エネルギー庁 2014年1月6日)

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