協会の主張・決議・要望

【13.09.20】原発事故汚染水問題で要望提出

福島原発事故「収束宣言」を撤回し
国の責任で汚染水問題対策を

 安倍晋三首相は9月7日、2020年夏季五輪の開催地を決めるIOC総会のプレゼンテーション及び記者会見で、福島第一原発の汚染水問題について、「状況はコントロールされている」「影響は福島第一原発の港湾内0.3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」「健康問題については今までも現在も将来もまったく問題ない」と述べている。
 政府は9月3日にも汚染水問題に関して「国が前面に出て、必要な対策を実行」「内外の技術や知見を結集し、政府が総力をあげて対策を実施」(9月3日、「汚染水問題に関する基本方針」)と表明している。しかしながらその後、自民党石破幹事長や原子力規制委員長が、汚染水を海に流すことを肯定していることは問題である。
 漏洩した汚染水は、ストロンチウムなどの放射性物質を含む高濃度汚染水で、流出の実態は東電の発表まかせで不明なままである。また、東電が台風による汚染水タンクエリアの堰からの排水を排出基準の設定やセシウム濃度の測定も行わずおこなったことは汚染水の「ブロック」も「コントロール」もされていないことを示している。さらに東電が、堰の排水弁を通じて、以前から放射性物質が外部に流出していた可能性を認めるなど、事態は極めて深刻である。
 政府は一昨年末、福島原発事故「収束宣言」を行ったが、同原発は、汚染水に限らず、溶融した核燃料の状態を確かめられず、汚染廃棄物処理の目処も立っていない現状が続いている。安倍首相の発言は、このような「収束宣言」や「安全神話」の上に立ったもので、現状を踏まえたものとは到底言えない。同時に、安倍首相の発言は国際公約でもあり、自らの発言に対する説明責任と国を挙げた対策を講じるべきである。
 健康への影響についても、事故当時18歳以下の、約36万人を対象に実施している福島県民健康管理調査で、これまでに結果が判明した21万7,000人のうち、「甲状腺がんあるいはがんの疑い」との診断が44例に上るなど、将来への健康不安は解消されていない。
 汚染水対策の目途がつかない限り、原発事故の収束はあり得ない。当協会は、次の事項の実現を強く求める。


1.政府は福島原発事故「収束宣言」をただちに撤回し、放射能汚染水の抜本的な対策など、事故収束作業に国の総力を挙げて取り組むこと。
2.政府は汚染水問題について正確な情報開示、情報発信を行うこと。
3.汚染水問題について、閉会中審査など国会で早期に審議を行うこと。
4.原発からの即時撤退を決断し、再稼働・新増設、輸出計画を中止すること。
以上

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