協会の主張・決議・要望

【13.07.25】指導の改善

「高点数」医療機関への個別指導に反対する

 平均点数が高い医療機関(「高点数医療機関」)を対象とした指導について協会・保団連は反対している。患者に必要な医療を提供することを妨げる要因になりかねないからだ。いわゆる「萎縮診療」は、医師にとっても患者にとっても望ましいことではない。ケースによっては早期診断・早期治療がかなわず、逆に医療費を引き上げる要因にさえなることもある。
 これまで愛知県では、医科の医療機関に対して、平均点数が高い医療機関に対する個別指導は実施してこなかった。ところが、今年度から実施しようという動きが伝えられる。協会は、先日、実施しないよう緊急の要望を行った。
 現行の個別指導において選定される高点数医療機関は、集団的個別指導で選定された医療機関のうち翌年も高点数で「上位より概ね半数」(指導大綱関係実施要領)とされている。つまり、医科診療所では平均点数の1.2倍以上かつ上位から概ね4%の医療機関が選定される。しかし、1998年には、他の選定理由を優先して実施する方針が厚労省から示された。事実上の方針転換である。当時、背景には大阪の安田病院不正請求事件があり、「不正請求の防止等を最優先とした指導及び監査を行っていただくこと」(通知)が必要だったためである。
 県内の医科医療機関に対する個別指導が、「高点数医療機関」を選定しながらも実際には実施に至らなかった理由は、前記の方針があったためでもある。同時に、これまでの厚生局との懇談等で、「高点数は『悪』ではない」と確認しあっていることも理由には含まれよう。県医師会も一貫して反対している。
 しかし、もし実施されれば、自主返還を伴う個別指導ならなおさら指導を避けるために平均点数を引き下げようとする圧力が働く。それは、政府の医療費抑制策にそったもので、「萎縮診療」を招き、本来の医療のあり方を歪めることになりはしないか。
 そもそも指導とは、保険診療のルールを遵守し医療保険制度が円滑に運用されるように行政機関が行うものである。その際には、「保険診療の取扱い、診療報酬の請求等に関する事項について周知徹底させることを主眼とし、懇切丁寧に行う」(指導大綱)ことが求められている。
 今一度原点に立ち返って、医科でも歯科でも、「高点数医療機関」を対象とした指導は実施しないよう求めるものである。

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