協会の主張・決議・要望

【13.03.25】TPP協議

国民皆保険制度守るため交渉撤退を

 安倍首相は2月22日に行われたオバマ米国大統領との会談後に「『聖域なき関税撤廃』は前提でないことを確認した」と述べ、3月15日にはTPP交渉参加を正式に表明した。しかし、この間に首相の説明には虚構が暴露されてきている。TPP協議している9カ国に次いで参加したカナダとメキシコに対して、①9カ国が合意した条文はすべて受け入れる、②交渉を打ち切る権利は9カ国にあり遅れて交渉入りした国には認められない――ことが条件とされているのである。そして、この事態でも判るように交渉の経過など全ては秘匿事項とされているのがTPPの本質なのであり、国民主権に反するものである。
 又、TPPは関税ゼロだけでなく非関税障壁の排除が大きな問題であり、医療にも関連してくるのである。安倍内閣は国会答弁で「TPPでは公的医療保険制度は議論されていない」「混合診療は議論されていない」と述べているが、これもごまかしでありTPPによって国民皆保険制度が崩壊の危機に瀕するのは明らかである。
 医薬品の価格規制への介入や、知的財産権の保護として特許期限の延長要求によるジェネリックへの介入によって薬価高騰を招くのである。医療費の3割を占める薬剤費への影響は計りしれない。知的財産権との関わりでは、新しく開発された医療技術の医療保険適用への妨害が危惧される。
 さらに、TPPではサービス貿易が大きな位置を占めているが、その中で保険サービスへの米国要求としては、当然、保険外自費診療の拡大である。安倍政権の社会保障制度改革国民会議においても「保険給付の範囲の適正化」が議論されていることと符合している。
 このように、TPPは日本をすべてアメリカンルール化してしまうもので、決して参加を許してはいけないのである。日本の医療皆保険制度は1958年の国民健康保険法の制定(1961年から施行)によって、国民の命と健康を守ってきた世界に誇る宝である。日本医師会も反対行動を強めており、3月6日の日医シンポで京大の佐伯教授は「簡単に市場化してはならない」と強調した。私達は引き続き患者・国民にTPPの実態を広く知らせて、政府が交渉から撤退するよう働きかけてゆきたい。

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