協会の主張・決議・要望

【13.01.25】福祉医療制度への一部負担導入などの動きに抗議する

福祉医療制度への一部負担導入などの動きに抗議する

2013年1月25日
愛知県知事 大村秀章様
愛知県保険医協会理事長 荻野高敏
 報道によれば、愛知県は福祉医療制度に、一部負担金と助成対象への所得制限を導入する見直し素案を、県議会各派に示したという。

 その内容は、「負担金は(1)通院1回300円・入院1日100円、(2)通院1回500円・入院1日500円、(3)通院・入院とも1カ月1医療機関で500円の3案」「所得制限は、すでに導入している他県と基準をそろえる計画」(中日新聞1月24日付)とされる。

 しかし、県内市町村では、子ども・障害者では全市町村が県制度への独自の上乗せを行い、「中学校卒業までの医療費助成制度(通院)」は9割を超える市町村が実施している現状がある。市町村からは「市町村の現状に県が追いついていない」「市町村が独自に制度を拡大している中で、県においていきなり見直しというのは整理がつかない」「財源論としてではなく必要な福祉施策として制度の持続を」「県に対して制度の維持を求めていきたい」などの声が出されていることを県は受け止めるべきである。

 また、県の素案は、県内全54市町村中、過半数の29市町村議会が「県の福祉医療制度の存続・拡充を求める」趣旨の意見書を採択していることも無視するものである。

 そして何よりも、「アレルギーがあるため根気よく治療が必要。無料制度がなければ負担が心配」(小児の親)、「毎日リハビリやマッサージが欠かせないが、医療費無料だから治療が続けられる」(障がい者)、「少ない年金暮らしで医療費の窓口負担は決して安くない。認知症で徘徊するようになると治療費が心配」(高齢者)などの当事者からの声をも踏みにじる制度改悪は、「福祉」の名に値しない。

 福祉医療制度見直しの議論で、「一部負担金は安易な受診や多重受診を抑制でき医療費適正化に資する」という意見が一部にあるが、県制度で入院・通院ともに中学校卒業まで医療費無料化を現物給付で実現している群馬県では、県当局が「救急医療への過度の依存や時間外診療の増加が懸念されたが、時間外受診件数はむしろ減少している」と県議会で答弁し、「早期受診で重症化を防いだ結果」と分析している。医療費負担を心配しないで済む制度でこそ、医療費を抑制する効果を生む例であり、県制度は、存続・拡充こそが求められる。

 愛知県保険医協会は、地域医療を担う8,850人の医師・歯科医師の団体として、愛知県の福祉医療制度への一部負担導入などの動きに厳しく抗議する。

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