協会の主張・決議・要望

【12.06.25】入院医療

選別・誘導は止め、診療報酬引き上げを

 「医療現場は疲弊している」、2009年まで政府が「増え続ける医療費を抑制する」として、高齢化や医療技術の進歩、医療ニーズの増大による自然増まで厳しく削減してきた結果である。政権交代後初の2010年改定では、内容はともかく「医療崩壊」を基本認識として診療報酬改定が行われた。ところが、今次改定では一体改革の第一歩として重点化、効率化が中心に据えられ、施設から地域へ、医療から介護への流れを強く打ち出すことで医療、介護給付費用を抑制する方向に回帰した。
 医療では入院医療機関の選択と集中、地域では在宅医療の受け皿整備、介護でも入所施設には重症者受入や在宅復帰率による選別が導入された。平均在院日数の短縮と看護必要度基準の引き上げによる「急性期病床(7対1入院基本料)」の削減、一般病棟で地域に密着した医療を提供している中小病院も90日超入院の取り扱いを変えることにより選別が進行している。
 金曜入院・月曜退院患者が「多い」医療機関の土日の診療報酬を削減する仕組みも導入されたが、金曜受入(救急含む)に悪影響が出ることも危惧される。
 有床診療所を含めたすべての入院医療機関に管理栄養士の配置を義務付けたり(2年間の経過措置)、各種加算を算定するためには新たな人員配置を求めるなど、さまざまな施設基準を設け人員確保や設備更新ができなければ入院医療が継続できない状況となっている。
 療養病床は、医療法上の経過措置が終了し、看護要員の配置基準が実質引き上げられ、医療保険では療養環境加算の再編引き下げが行われた。介護医療施設では基礎的報酬が引き下げられた。転換先とされている老人保健施設も重症者受入率や在宅復帰率が施設の基準に導入され、基準を満たさない施設の介護報酬引き下げなど選別が進められた。
 退院調整加算は入院早期(7日以内)に退院困難者を抽出し退院支援計画を策定することとされた。超重症児(者)・準超重症児(者)入院診療加算は15歳以下で障害を受けたもののみを対象とすることとされた。成人以降に障害を受けた場合、特に高齢者は速やかに在宅へ誘導されることになる。
 地域の病院・有床診療所に「急性期の後方支援」「在宅医療の支援」をという加算等も設定されたが、入院医療の継続に見通しが立たなければ、役割は発揮できない。
 現在個々の医療機関が地域で果たしている役割を発揮できるよう、基礎的な診療報酬を引き上げ、細かな施設基準による選別・誘導を止めることを求める。

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