協会の主張・決議・要望

【12.04.28】震災がれき受け入れに関する声明

 愛知県保険医協会理事会は、4月28日に「十分な情報と自治体・住民の理解と納得抜きに、震災がれき=廃棄物の受け入れをすることには同意できない」とする声明を発表した。
以下に全文を掲載する。

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 国が宮城県、岩手県の震災廃棄物を広域で処理するという方針を打ち出し、全国の自治体に協力を求めていることで、全国の自治体で受け入れを巡って混乱が生まれている。
 復興支援として全国でささえるべきという意見を大事にしつつも、これには多くの問題をはらんでいることを、率直に表明せざるを得ない。
 そもそも廃棄物を焼却すること自体が排ガス、焼却灰などによる周辺環境と住民の健康への影響が心配され、従って廃棄物処理は発生させた自治体内処理が原則とされるものである。広域処理のために廃棄物を運搬すること自体大幅なコスト増を生む。東京都が受け入れた震災廃棄物では、県内処理に比して2〜3倍のコストが掛かったともいわれる。
 今回の震災廃棄物には、従来のものに加え放射能による汚染の恐れがあり、これまで以上に慎重に対処すべきである。
 愛知県においては、大村愛知県知事が4月5日に県内3カ所での受け入れ検討を表明、その調査費として6億円の県予算を専決で計上した。ところが、候補地とされた自治体、住民には十分な説明もされていない。
 震災廃棄物を受け入れるために焼却施設を建設するには、今後、生活環境影響調査の実施、住民説明会などが行われであろう。当然、愛知県は十分な情報提供を行い、住民の疑問と不安に答えなければならないし、受け入れ実施には住民の理解と納得が必要である。
 我々は住民のいのちと健康に関わる医師・歯科医師として、震災廃棄物の受け入れには慎重な態度で臨むべきだと考える。
 現在、①復興の遅れの原因は震災がれきのためなのか、②福島県では全量県内処理なのに岩手、宮城両県はなぜ広域で処理するのか、③可燃物の分類はどう行うのか、危険な物の混入の危険はないのか、④処理対象の廃棄物の放射能の測定は誰がどう行うのか、⑤対象廃棄物の1kg当たり100ベクレル、焼却灰は1kg当たり8,000ベクレルという基準で安全が保障されるか、⑥バグフイルターなどで焼却ガス中の放射性物質は完全に捕集されるか、⑦焼却で放射性物質が高濃度となった灰やバグフイルターはどう処理するのかなど、疑問、問題点があまりに多い。
 こうした疑問、問題点が解決されない時点では、愛知県の震災廃棄物の受け入れに同意することはできないことを表明する。

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