協会の主張・決議・要望

【12.04.25】共通番号制

情報漏えい、国民監視の問題だらけ

 2月14日共通番号(マイナンバー)制法案が国会に提出された。国民全員に番号を割り振り、政府が所得や病歴などの個人情報をひも付けし、行政機関などで広範囲に利用する制度だ。認知度は低く、一月の内閣府の調査では八割は“知らない”と回答、つまり認知度二割ということだ。個人情報漏えいなどを危惧する声も強く、レセプトオンライン請求義務化とも併せて、強く反対すべきである。
 共通番号制度は、自公政権時代からも“社会保障番号制度”とよばれ、「自立、自助、自己責任」を基調とする社会保障改悪の道具として考えられてきた。「きめ細やかな社会保障給付」のために利用される、とはとうてい思えない。
 むしろ、共通番号制の導入で、個人レベルで社会保障給付と負担を明らかにして、負担と比べて給付の多い長期療養患者や障害者などの給付を制限する問題などが指摘される「社会保障個人会計」につながることが懸念される。
 また、導入費用に六千億円もの多額な費用がかかり、維持管理費用も莫大という。
 個人情報の利用範囲は、“省令で定める”とフリーハンドが与えられ、民間でのデータ活用の危険もある。この個人情報は漏れないのだろうか? 情報の漏えいは必ずおきる、と思ったほうがよい。そして、一度流出した個人情報は、取り返せない。回復困難なダメージを受けることになる。医療分野の、患者情報が漏えいしたらどんな事態になるか、想像に難くない。
 米国では、日本の共通番号制によく似た、社会保障番号が身分照会に使われ、他人に“なりすまし”てクレジットカードを不正に取得したりする犯罪が、年間一千万件、被害額は五百億ドルにのぼるという。
 個人情報は、政府が危険だとみなす人物を“あぶりだす”材料になる可能性もある。政府が危険だとみなす人物は、多くの場合“戦争に反対する”人だ。日本の歴史の中でも、何人もの人が無実の罪で処刑されている。イラク戦争に反対した人が何人も外務省を追われたのも、記憶にあたらしい。政府が今国会で成立を目論む「秘密保全法」などの“監視”法案の数々が、共通番号制を百八十度変えてしまう、とジャーナリストの堤未果さんも警告している。
 国家による監視でがんじがらめの生活を余儀なくされることになるこの法案に強く反対したい。

▲ このページの先頭にもどる