協会の主張・決議・要望

【12.04.15】「消費税」「原発」で協会理事会が声明

愛知県保険医協会理事会は、「消費税増税反対」「大飯原発再稼働反対」の声明を採択しました。

消費税の増税に反対する

 民主党・野田政権は3月30日、消費税率を2014年に8%、15年に10%へ引き上げることを主たる内容とする「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」を上程しました。
 「今日より明日がよくなると思うことができる社会をつくりたい」。野田首相は法案の意義をこのように強調しましたが、税率5%の増税のうち、社会保障充実に使われるのは1%分(2.7兆円)に過ぎず、残りの4%は、これまで社会保障財源に充てられていた所得税や法人税などの税が消費税に置き換わるだけです。10%への増税は国民に13.5兆円もの負担増をもたらします。
 法案は「社会保障・税一体改革大綱」に基づいて上程されていますが、「大綱」には年金の給付切り下げや70〜74歳の医療費窓口負担の1割から2割への引き上げ、介護保険の利用料引き上げなどを検討することが盛り込まれています。これらが実施されれば社会保障の「充実」分は帳消しとなり、中長期的に年金支給開始年齢が70歳に引き上げられれば、増税と社会保障負担増は合計20兆円に達します。
 国民の購買力がないときに消費税を増税すれば、内需が冷え込み景気はさらに悪化し、税収減=財政悪化に陥ることは、97年の5%への増税時の経験からも明らかです。
 消費税は、所得ゼロの人にも課税され、所得の低い人ほど負担割合が大きくなる逆進性をもち、中小企業は赤字でも税負担が生じます。
 医療機関でも、医科診療所の控除対象外消費税(損税)は現状でも1診療所あたり203万円に達すると推計(日本医業経営コンサルタント協会調べ)されています。税率10%では医業経営に一層深刻な影響を及ぼすことになります。
世論も今の時期の消費税増税に「反対」が多数です。「中日新聞」世論調査(3月21日付)は、「賛成」「どちらかといえば賛成」が減った一方(2月調査時48%が3月は42%)、「反対」「どちらかといえば反対」は増えています(2月調査時51%が3月は56%)。
 税制を見直すのであれば、(1)直接税(所得税)中心、(2)総合・累進制、(3)生計費非課税、(4)勤労所得軽課・不労所得重課など、応能負担を基本とする戦後税制の民主主義的原則に立ち返ることが今こそ必要です。
 愛知県保険医協会は、今国会に内閣が提出した消費税増税法案に反対を表明します。
2012年4月6日
愛知県保険医協会理事会

大飯原発の再稼働に反対する

 関西電力・大飯原発3、4号機の再稼働に向けた動きが強まっています。国の原子力安全委員会が3月23日、原子力安全・保安院の1次評価(ストレステスト)を了承、政府は地元の同意を含め再稼働の時期を探っています。
 政府は昨年末、福島原発事故「収束宣言」を行いました。しかし、福島第一原発は、今も溶融した核燃料の状態を確かめるすべもなく、汚染水や汚染廃棄物処理の目処も立たず、「収束」したとはとても言えない状況が続いています。
 「ストレステスト」は、福島原発事故の原因究明ができていない中で行われ、しかもその手順は、事業者である電力会社が評価を行い、原子力安全・保安院がそれを評価し、原子力安全委員会の確認を求めるというもので、事故前の従来の原発の安全審査の方法と基本的に変わらないものです。枝野幸男経産相は、「ストレステストをやったから安全性が確認されるわけではない」と国会で答弁、原子力安全委員会の斑目春樹委員長も「1次評価だけでは安全評価として不十分」との認識を示しています。
 大飯原発がある若狭地区には多数の活断層が存在しており、新たな連動地震の可能性についても検討が必要です。
 民主党「原発事故収束対策プロジェクトチーム」は、停止中の原発を再稼働させることは「時期尚早」との提言をまとめました。そこでは、国会や政府の事故調査委員会が原因を調査中であることや、原子力安全関係の法律や地域防災計画が福島原発事故以前のままなどの問題点を指摘しています。
 原発再稼働を国民が「安全・安心」と受け入れるには、科学的根拠をもった判断材料が公開されることが不可欠です。事故調の提言が出され、独立した規制機関が設置されるまでは、再稼働の政治協議自体も凍結すべきです。
 世論調査(毎日新聞、3/31〜4/1実施)でも、大飯原発の再稼働に「反対」が62%で「賛成」の33%を大きく上回っています。福井県と隣接する滋賀県の県議会は、福島原発事故の原因究明がされていない中での再稼働に反対する意見書を全会一致で採択しました。
 原発は、いったん事故が起きれば「制御」が効かず、使用済み核燃料・廃棄物の処理方法が未確立であるなど、危険きわまりない技術です。そして、広島・長崎の原爆、ビキニ水爆実験被害を経験した私たちは、原発を再稼働させて、これ以上、人類に対する罪を重ねるわけにはいきません。
 愛知県保険医協会は、いのちと健康を守る医師・歯科医師の団体として、大飯原発の再稼働に反対します。
2012年4月6日
愛知県保険医協会理事会

▲ このページの先頭にもどる