協会の主張・決議・要望

【11.06.28】介護保険「改定」法案の成立に抗議し、国民・利用者の立場に立った介護保険の拡充を求める要望書

 協会地域医療部会は、介護保険法「改定」法案が6月15日に参院本会議で可決・成立したことを受け、2011年6月28日に「介護保険『改定』法案の成立に抗議し、国民・利用者の立場に立った介護保険の拡充を求める要望書」を内閣総理大臣と厚生労働大臣に提出した。

介護保険「改定」法案の成立に抗議し、国民・利用者の立場に立った介護保険の拡充を求める要望書


 「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」が、6月15日に参議院本会議で可決成立した。
 国民生活に影響を与える介護保険「改定」法案は、その内容を広く知らせ、国民的な議論を尽くすべき重要法案である。しかし、衆議院と参議院を合わせてたった18時間の審議で可決成立させたことは、国民無視の国会運営であり、これに強く抗議する。
 今回の介護保険制度改定は、「地域包括ケアシステム」の実現に向けた改定であることを強調している。24時間365日、必要な医療や介護、生活支援等を受けながら、住み慣れた地域での生活の継続が可能になるという「地域包括ケア構想」は、国民要求を反映した側面もあるが、その中身は新たな「公費抑制システム」である。
 当初2,911円だった平均介護保険料は、過去3回の改定で月額4,160円に引き上げられている。税制の改定によって課税限度額が引き下げられ、税・保険料などの負担は雪だるま式に増加。後期高齢者医療の保険料徴収も加わり、重い費用負担のためにサービス利用の「自己規制」を余儀なくされている。「介護心中」「介護殺人」「孤独死」なども後を絶たない。本当に必要なのは、利用料・保険料負担の拡大や給付の削減ではなく、政府が公約どおりに、公費負担を拡大し介護サービスの充実を図ることにある。
 今後、政省令や介護報酬改定の中でその改定の中身が具体化されていくが、私たちは、利用者や従事者・事業所の声を聞き反映させていくことを求めるとともに、国民・利用者の立場に立った介護サービスの確立に向けて、以下の項目を要望する。

一.政府の公約どおり公的負担を拡大することで、保険料の引き上げ抑制と介護サービスの充実を行うこと。新たな財源の確保は、消費税に頼らないこと。

一.介護療養病床の社会的役割を認め、「介護難民」を生み出す介護療養病床の廃止は延期するのではなく、撤回すること。また、新規の指定も行うこと。

一.高齢者住宅を入院・入所サービスの代替とさせるのではなく、42万人の待機者を解消するために、特別養護老人ホーム等の介護保険施設の整備拡充を早急に進めること。介護基盤整備に国と市町村が責任を持ち、国の十分な財政措置と補助率の引き上げにより、拡充すること。

一.新サービスや「介護予防・日常生活支援総合事業」の創設によって、介護サービスの量や質を低下させないこと。また、市町村(地域)格差を拡大させないこと。

一.訪問看護・訪問リハ・通所リハ等の医療系介護サービスは、医療保険に戻して医療保険で行えるようにすること。少なくとも、区分支給限度額の対象から医療系サービスを外し、医療保険と介護保険との複雑な給付制限は撤廃すること。

一.給付制限のための要介護認定制度は廃止すること。当面は要介護認定制度の簡素化と、認知症や高齢者の生活実態が反映できるように改善するとともに、区分支給限度額を引き上げること。

一.介護職員処遇改善に関わる費用は、当面、国庫負担で実施し、その対象範囲および支給金額を引き上げ、労働環境・雇用環境の改善を行うこと。また、介護サービスの向上を図るため、介護報酬を大幅に引き上げること。

以上

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