協会の主張・決議・要望

【11.04.05】原子力発電所の安全確認と原子力政策の見直しを求める要請書

 愛知県保険医協会は、東日本大震災による福島第一原子力発電所事故を受け、3月25日の理事会で下記の通り要請書を決議した。要請書は、内閣総理大臣、地元国会議員、中部電力株式会社社長など関係機関に送付した。

 3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故は、地震、津波に対する原発施設の脆さといったん外部からの電力供給が絶たれれば、停止した原発そのものを「安定的」に維持することすらできないことを明らかにした。
 原発事故の危険を指摘する見解に対して、原発建設を推進する技術者や政治家たちは、原発施設の牢固さ、二重、三重の安全装置を挙げ、我が国では原発の大事故はありえないと主張し続けてきた。特に、ECCS(緊急炉心冷却装置)が用意されているので、万全の備えであると説明してきた。ところが今回発生した東日本大地震の結果、運転中の福島第一原発の1号機、2号機、3号機はすべてECCSが動かず、停止中だった4号機の使用済み核燃料プールまで炉心部と使用済み燃料貯蔵プールの水位低下という重大な結果を簡単に招き、建屋の水素爆発という事故を起こした。あげくの果てには海水を放水で注入して冷却、水位の維持を図るという醜態を晒すことになった。いまなお、炉心の状況も正確には把握できず、収束の目処もたっていない。
 特に福島第一原発3号機はプルトニウムを含むMOX燃料を使用しており、事故拡大を抑え込めなかった場合、より一層危険な事態となる。
 すでに放出された放射性物質によって農作物や飲料水の放射能汚染が広がりつつある。
我々医師・歯科医師は医療に携わるものとして、治療が困難な放射線障害に対しては、予防、つまり事故が起きないようにすることが最善の手段だと考える。
 今回の福島原発事故は福島だけの問題ではなく、全国にある55基全ての原発に起こりうる現実の危険である。このような危険な原発を55基も国内に造りつづけてきた電力会社とともに政治の責任が問われるべきである。
 愛知県は、静岡県の浜岡原発が最も近く、原発事故があった場合には重大な影響を受けることとなる。
 我々は、緊急に以下のことを要請するものである。

1.全国の原発を、一旦停止して安全性を十分に確認すること。
 福島第一原発事故は、原発が「想定外」の地震、津波などによって、制御不能になることを示した。「想定外」の災害が起きることを想定して安全性を確認すること。
2.浜岡原発はすぐそばに三本の活断層がある、あるいは震源域の真上に位置すると言われている。直ちに運転を停止して、安全性が確認されるまで運転しないこと。
3.福島第一原発の三号機が使用していたMOX燃料はまだ安全性が確立しておらず、事故発生の場合はプルトニウムなどより危険な放射性物質を放出する危険がある。プルサーマル計画は直ちに中止すること。
4.「想定外」の災害で制御不能となる原発にエネルギーを依存することは地震国日本では国民の安全を放棄することである。原子力政策を見直して、再生可能エネルギーの活用など国のエネルギー政策を根本から見直すこと。  

2011年3月25日 愛知県保険医協会理事会

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