協会の主張・決議・要望

【11.04.05】電子レセ審査

医師の裁量権を尊重するよう求める

 支払基金は電子レセプトの審査に際し、コンピュータを用いて調剤レセプトとの「突合点検」、過去のレセプトとの「縦覧点検」を行う方針を発表した。当初は、この四月審査から開始するつもりであったが、東日本大震災の影響と日本医師会との「査定方法」についての交渉が継続中であること(日本医師会の連絡文書)から、とりあえず延期されることになった。しかし、あくまで「延期」であり、いずれ実施され、国保連合会においても同様になる可能性が高い。
 支払基金が今年1月にまとめた「サービス向上計画」(2011年度からの5カ年計画)では、「『ITを導入して補助的に活用する仕組み』から『確立したITを最大限に活用する仕組み』へ転換する」と述べ、コンピュータを使って保険診療ルールに適合しているかどうかを可能な限り多くチェックすることが目指されているからである。
 また、都道府県単位で独立して行っている審査体制にブロック単位の考え方を導入する、職員による審査委員に対する働きかけを強化する、問題があるとする医療機関への改善要請やそれでも改善しない場合の地方厚生局など行政への通報を積極的に行うこと、などが計画されている。
 一方で、審査支払機関のあり方については、行政刷新会議による事業仕分けなど政府・与党による「構造改革」路線にそった見直しの動きもすすんでいる。昨年4月に厚労省内に設置された「審査支払機関の在り方に関する検討会」では、支払基金と国保連合会の統合を含めた審査支払機関の組織・業務の両面についての検討がなされている。
競争原理を前面に出し、効率化を求めるこうした流れは、職員数削減、給与カットを含むコスト削減としても提案されている。
 これらの審査「強化」、競争促進による合理化の動きは、審査基準の画一化、医師の裁量権の侵害につながる危険が大きいことに、われわれとしても十分注意を払わなくてはならない。
 以前、協会が実施した会員アンケートでは、審査に対して、「満足している」とする会員は一割程度にとどまっている。その大きな理由が、「審査内容が経済的審査である」ことに対する不満である。
 「IT活用化」の時代になることは避けがたいとして、それが医療機関にとっても「納得」「満足」といえる審査となるよう問題を集め、審査支払機関に対して改善を求めていきたい。

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