協会の主張・決議・要望

【11.01.25】国保広域化

国の責任を放棄し巨大な赤字団体化

 厚労省がまとめた高齢者医療「新制度」案に、国保の広域化(都道府県単位化)が盛り込まれた。
 厚労省は、市町村国保の保険財政の安定化、保険料負担の公平化等の観点から広域化は欠かせないとして、2018年度から全国一律に移行する方針だが、構造的な赤字を抱え、異常に高い保険料の市町村国保が集まって都道府県単位に一本化しても、問題が解決しないのは明らかである。
 逆に国保の広域化により、(1)一般会計の繰り入れ、(2)市町村独自減免制度、(3)保険料徴収方式の3点について、制度が後退する危険性が大きい。
 一般会計からの市町村独自の繰り入れは、全国の市町村合計で約3,700億円、愛知県合計で約230億円繰り入れられているが、広域化されると独自繰り入れが廃止されるのは、後期高齢者医療制度の創設時に経験済みである。
 また、市町村国保独自の減免制度も廃止される。高齢者や障害者を対象にした名古屋市の減免制度、子どもを対象にした一宮市の減免制度など、各市町村独自に工夫した制度も全廃させられる可能性が高い。
 さらに保険料徴収方式の統一により、低所得者や社会的弱者に配慮した名古屋市・豊橋市・岡崎市の保険料算定方式は廃止され、低所得層などの保険料が大幅に引き上がることも軽視できない。
 「新制度」で国保の財政運営を担うとされる都道府県も反発している。全国知事会は「拙速に新制度に移行する必要性はない」との声明を発表している。
 神田愛知県知事は、「新制度」について「安定した保険財政のためには国費の拡充が不可欠だが、国は現在と同程度の財政責任から一歩も踏み出していない」と批判。「新制度」にともなう国保広域化で、財政運営を市町村から都道府県に移すことも「巨大な赤字団体をつくるだけで問題を先送りするだけ」とする文書を提出し、国保広域化に反対を表明した。
 国保への国の責任を示す指標として、国保収入に占める国庫支出金の割合が1984年の50%から2008年の25%に半減している点が指摘されている。
 国保問題の真の解決のために、国は「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的」とした国民健康保険法第1条の理念に立ち返り、減らし続けた国庫負担の削減を元に戻すべきである。

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