協会の主張・決議・要望

【11.01.15】新高齢者医療制度に見解

高齢者差別の仕組みを温存国民負担は現行より増加

厚生労働省は昨年十二月二十日、後期高齢者医療制度に代わる「新制度」の最終案をまとめた。
保険医協会では、翌二十一日付けで「高齢者差別の仕組みを温存する『新制度』案は認められない」とする見解をまとめ、菅総理大臣、細川厚労大臣、岩村高齢者医療制度改革会議座長、各党党首、地元国会議員に提出した。
見解の内容は次の通りである。

新制度案の最大の問題点は、現行制度の根本問題である七十五歳以上の高齢者だけを現役世代と別勘定にし、医療費と保険料を連動させる仕組みを、温存したことである。
第二の問題点は、この間の国民の運動によって実現させた負担軽減措置を見直し、七十歳から七十四歳までの窓口負担を現在の一割から二割に倍増することや、七十五歳以上の低所得者の保険料軽減の追加措置を段階的に縮小するなど、高齢者の負担増方針を新たに打ち出したことである。現状でも高齢者層を中心に受診抑制が生じているが、さらに高齢者の生活を圧迫し、受診抑制に拍車をかけることになる。
第三の問題点は、現役世代の一人当たり保険料が急激に増加することである。現役世代にも負担増を迫り、世代間に対立構造を持ち込むことで、高齢者の医療費を削り込もうとするやり方は容認できるものではない。
第四の問題点は、「新制度」では、公費負担のうち最も重要な国庫負担は、現行制度より大幅に減ることになるが、地方自治体、とくに市町村は大幅な負担増となることである。
第五の問題点は、全年齢を対象とした国保の都道府県単位化を二〇一八年度から全国一律に移行する方針を掲げたことである。国保の都道府県単位化は、市町村国保への一般財源の投入の廃止や独自の減免制度の廃止が狙いである。国庫負担割合の増額のない国保の都道府県単位化は、「さらなる国保料(税)の引き上げ→国保料(税)滞納者の増加→保険料(税)滞納者への保険証の取り上げの増加」の悪循環を加速させることとなり、国民皆保険制度の崩壊へと突き進むものである。
このように、最終案は、後期高齢者医療制度廃止後の「新制度」創設を逆手にとって、高齢者差別の仕組みを温存するとともに、国庫負担を削減し、地方自治体と全世代の国民には負担増を求めるなど、これまで以上に給付抑制と負担増路線を強めるものである。
愛知県保険医協会では、「公約違反の『新制度』案は断じて認めることはできない」との立場から、後期高齢者医療制度を直ちに廃止し、元の老人保健制度に戻すとともに、減らし続けた国保への国庫負担の増額を求め、通常国会に向けた取り組みを強める予定である。

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